AMNH 3982 "マノスポンディルス"
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/20 14:07 UTC 版)
「ティラノサウルスの標本」の記事における「AMNH 3982 "マノスポンディルス"」の解説
現在Tレックスとされる標本で最初に名前が付いたのは、1892年にエドワード・ドリンカー・コープがアメリカ・サウスダコタ州で発掘した1点の脊椎骨AMNH 3982に基づいて命名したマノスポンディルス・ギガス(Manospondylus gigas、「孔の多い大きな脊椎骨」の意)である。コープはこの化石をケラトプス科に属する恐竜のものとみていた。1917年、コープに師事していたヘンリー・フェアフィールド・オズボーンは自身の論文でマノスポンディルスとTレックスはシノニムの関係にある可能性を指摘しているが、化石が断片的すぎることから、オズボーンは両者を同一種と結論づけてはいない。 2000年6月、かつてコープがマノスポンディルスを発掘した場所から、Tレックスの化石が発掘された。この化石は1892年に発見された化石と同一個体のもの(掘り残し)とされ、マノスポンディルスとティラノサウルスが同一種であることが実際に確認されることとなったが、そこでコープの命名した「マノスポンディルス・ギガス」という名前の方に優先権があるのではないかという論争が生じた。しかし、2000年1月1日に発効された国際動物命名規約第4版に定められた規定により、動物命名法国際審議会が強権を発動して学名 Tyrannosaurus を「保全名」としたため、名称の交代が行われることはなかった。 タイプ標本のスケッチ
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