鳥類相への影響
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2016/11/22 03:41 UTC 版)
一般的な大きさの巣箱を利用する鳥類が、ごく一部の種に限定されることが指摘される。巣箱を利用する鳥は、木のうろ(木の幹にできる空洞→樹洞)などの穴を巣として利用する鳥であり、枝先などに開かれた巣を作る鳥は利用しない。 日本では、巣箱を利用する鳥はシジュウカラ・ヤマガラなどのカラ類や、ムクドリ、アオバズク、フクロウ(特大巣箱を必要とする)などに限定される。このためいくら巣箱を設置しても、野外の大部分の鳥類にとっては意味を成さない。 またドイツでは、隣接した森林で片方に巣箱を設置した比較実験を行ったが、巣箱が用意された側の林では、洞巣性の鳥類が激増したという。巣箱の設置が鳥類相(鳥類の種類ごとの分布や比率といったバランス)を大きく崩す可能性があり、人為選択にもつながりかねない。 この問題に対しては、鳥の種別に適した巣箱を作り、目的も特定種の鳥類の保護に限定した活動とする例もある。例えば巨木の少なくなった環境では、フクロウの営巣が可能な大きなうろもその数を減らすため、フクロウ保護のために専用の巣箱をかける活動や、森林性のコウモリの保護のために、コウモリの習性に即した専用の巣箱を作っている実践例もある。
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