鉤ヘルニア
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/05 02:43 UTC 版)
もう一点は鉤ヘルニア(こうヘルニア、Uncal herniation)である。脳梗塞や脳内出血などで頭蓋内圧が亢進したとき、鈎部がテント切痕を越えて侵入し、脳幹や脳神経に向かって押し付けられる。これにより脳ヘルニアの一種である鉤ヘルニア(テント切痕ヘルニア)が発生する。鉤ヘルニアで圧迫される主な領域は、第三脳神経(動眼神経)および中脳腹側の大脳脚である。動眼神経の圧迫は、病変と同側の眼球における瞳孔散大や対光反射の消失を引き起こす。中脳大脳脚の圧迫は、対側の半身の麻痺を引き起こす。鉤による脳幹の圧迫が進行すると、昏睡状態を経由し、最終的には死に至ることもある。そのため脳外科の緊急手術において,鉤は極めて重要な部位である、とされる。
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