重要視するもの:「現象」
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/03/22 13:53 UTC 版)
「構造構成主義」の記事における「重要視するもの:「現象」」の解説
まず若干の用語説明をしながら解説する必要がある。「現象」という言葉は、分野ごとに様々な意味で用いられているが、構造構成主義における「現象」とは(現象学などにおける用法に相当するものであり)「経験を通して各人に立ち現れたすべての何か(=人々が感じる感覚内容、あるいは、いわゆる感覚質など)」を意味する。「構造」とは、同一性あるいは「同一性の関係形式」およびそれらの総体である。なお、構造構成主義では、「現象」には夢や錯覚も含まれる。 構造構成主義においては、信念の対立を克服するために、どのような信念を持っている人にとっても明らかだと思われる点から論理を組み立てる。そのために、構造構成主義では人為的に構成された「構造」よりも、「現象」(人々が現に感じている感覚内容)を最も尊重する。 「構造」というのは、「現象」(=感覚内容)を、そこに見出される「同一性」という基準で(恣意的に)構造化したものである。つまり、そこにはすでに原理的に見て、何かしら疑わしい点が混入しており、修正されなければならない可能性や、洗練しなければならない可能性がある。それに比べて、「現象(=感覚内容)」というのは、その中身に関係なく(=理屈をこねる前から)、誰にとっても疑いようもなく(各人の心に)立ち現れている。したがって、疑わしい点のある「構造」というものと、疑いようもなく立ちあらわれている「現象(=感覚内容)」とを比較した場合、「現象」を尊重する。
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