貿易の内延と外延
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/01/03 07:45 UTC 版)
メリッツの2003年のモデルでは、企業の生産性の分布関数は特定化されていない。トーマス・チャネイは企業生産性の分布関数としてパレート分布関数を仮定し、あらゆる変数がシンプルな数式で書けることを示した。パレート分布関数を仮定した異質的企業モデルはメリッツ=チャネイ・モデル(英: The Melitz-Chaney model)と呼ばれる。トーマス・チャネイはさらに、メリッツ・モデルでは個々の企業の貿易額の調整(内延, 英: The intensive margin)に加えて輸出企業の数の調整(外延, 英: The extensive margin)も起こるため、「貿易の可変貿易費用に対する弾力性」が同質的企業モデルと異なることを指摘している。具体的には、 同質的企業モデルでは、「貿易の可変貿易費用に対する弾力性」=代替の弾力性 異質的企業モデルでは、「貿易の可変貿易費用に対する弾力性」=代替の弾力性の減少関数であるパラメーター であることを示している。 貿易をしない国のペアが存在し、ゼロ貿易フロー(英: Zero trade flows)が観察されることを異質的企業モデルを用いて説明している研究がある。そこでは、企業の輸出市場への参加(外延)が重要な役割を果たす。そして、企業の異質性が重力モデルの推定に与える影響について考察している。
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