評定所吟味の争点
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/24 18:17 UTC 版)
評定所における吟味の焦点は、まず石徹白騒動の最大の原因ともいえる、社人の共有財産であった白山中居神社の造営林や他の社人の持ち林を勝手に伐採したり、追放した社人の資産を私物化し、更に社人から新たに三分の一の年貢を取り立てるなどという石徹白豊前の数々の専横ぶりであった。もちろん500名を越える大勢の社人を石徹白から追放したことについても大きな問題とされた。 石徹白豊前の専横とともに事件の大きな争点となったのが、豊前は果たして世襲の神主であるのか、そして石徹白が吉田家の支配であったのかそれとも白川家の支配であったのかという点であった。世襲神主として吉田家の権威を笠に着て強権的な石徹白支配を進めてきた豊前に対して、反豊前派は神主は世襲ではなく頭社人の中から選ばれるものであり、石徹白は白川家支配であることを主張した。 吟味が進行する中でその問題の大きさが明らかになってきたのが、石徹白豊前と郡上藩役人との癒着であった。豊前が郡上藩の家老、大目付、寺社奉行らに贈賄し、その結果、豊前の石徹白における専横を許し、騒動を発生させたことは評定所吟味の過程で厳しく追及されていく。 また石徹白騒動が郡上一揆とともに幕府評定所の場で吟味が行われることになった背景には、郡上一揆と同じく郡上藩主の金森家と幕府要人との癒着が、事件をここまでこじらせる一因になったのではないかとの疑いがあり、郡上一揆とともに幕府要人と金森家との癒着解明が吟味の焦点の一つとなった。
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