衰退の5段階
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/21 21:04 UTC 版)
「ジェームズ・C・コリンズ」の記事における「衰退の5段階」の解説
コリンズは強大な企業がどのように衰退するかを次の5段階の枠組みで示し、これを衰退の5段階(five stages of decline)と呼んでいる。 成功から生まれる傲慢 - 企業の人々が高慢になり、当初の成功をもたらした基礎的な要因を見失う。深い理解と見識が失われ、成功は当然のものとする見方へ置き換わる。 規律なき拡大路線 - 規律ある創造性から逸脱する。偉大な実績をあげられない分野に規律なき形で進出するか、卓越性を維持しながら達成することができないペースで成長するか、これらの両方を同時に行う。 リスクと問題の否認 - 企業の内部では警戒信号が積み重なってくるが、外見的には業績が十分に力強いことから、企業は問題を否認する。指導者は悪いデータを小さくみせ、良いデータを強調し、曖昧なデータは良く解釈する。上に立つ者は後退の原因として外部要因を指摘するようになり、自分で責任を引き受けようとしなくなる。 一発逆転策の追求 - 問題とリスク・テークの失敗が積み重なって表面化し、企業の急激な衰退が誰の目にも明らかになる。指導者は一発逆転策にすがろうとする。一発逆転策とは、ビジョンを掲げるカリスマ的指導者の登用、大胆だが実績のない戦略、抜本的な変革などの様々な特効薬である。 屈服と凡庸な企業への転落か消滅 - 巨費を投じた再建策がいずれも失敗に終わったことから、財務力が衰え、士気が低下して、経営者は偉大な将来を築く望みをすべて放棄する。企業は身売りされるか、衰退して凡庸な企業になるか、消滅する。 コリンズは、企業が第1段階に入ったからといってそのまま第5段階へ進むわけではないとしている。また第4段階に入った企業でも、一発逆転策にすがるサイクルから抜け出し、再建を進められる資源が残っていれば復活は可能であるとしている。
※この「衰退の5段階」の解説は、「ジェームズ・C・コリンズ」の解説の一部です。
「衰退の5段階」を含む「ジェームズ・C・コリンズ」の記事については、「ジェームズ・C・コリンズ」の概要を参照ください。
- 衰退の5段階のページへのリンク