葛飾応為
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葛飾 応為[注釈 1](かつしか おうい、生没年不詳)は、江戸時代後期の浮世絵師。葛飾北斎の三女。応為は号(画号)で、名は栄(えい)と言い、お栄(おえい、阿栄、應栄とも)、栄女(えいじょ)とも記された。
注釈
- ^ 「応」は正字「應」が用いられたと考えられるが、基本的に省略する。
- ^ 島根県立美術館編集・発行 『永田生慈 北斎コレクション一〇〇選』 2019年2月8日、第99図。
- ^ 久保田(1995)など。美術史家の小林忠もこれを支持している(『江戸の浮世絵』 藝華書院、2009年、p.362、ISBN 978-4-9904055-1-9)。
- ^ この本は序一丁・付文二丁を付した大錦横版12図1帖の組物。このうち、炬燵の中で戯れる男女図に描かれた書物の表紙に、『陰陽和合玉門榮(改行)紫色雁高作・女性陰水書』とある。「紫色雁高」はかつて北斎が名乗った隠号で、この本の作者である渓斎英泉が譲り受けた号。「女性陰水書」の書は画の誤記あるいは誤刻だと考えられ、画工が女性であることを意味し、「陰陽和合」は作者の男性と画者の女性の合著であり、「玉門榮」はお栄こと応為を指すと解釈できる(林美一 「春画を描いた女浮世絵師 葛飾應為と「陰陽和合玉門榮」」『プリンツ21』1993年10月号)。
- ^ C0034762 月下砧打ち美人図 - 東京国立博物館 画像検索
- ^ 日本画用語] しほん。書画を描くための地の素材として紙を使っているものを言う。
- ^ 日本画用語] ちゃくしょく。「着色」と同義。現代風に「着色」と記されることも多いが、本来、「着」と「著」は新字体と正字体の関係。
- ^ 東京国立博物館編集・発行 『特別展観「東京国立博物館所蔵 肉筆浮世絵」』 1993年4月27日、p.122。
- ^ 『葛飾応為 鑑賞ガイドブック』p.8。
- ^ [日本画用語] けんぽん。書画を描くための地の素材として絹を使っているもの。そのうちの、生糸(きいと)で平織りされている通常のものを言う。上質で光沢のあるものは「絖本(こうほん)」。
- ^ 秋田達也 「応為筆「春夜美人図」をめぐって」『フィロカリア』21号、大阪大学大学院文学研究科芸術学・芸術史講座、2004年3月、pp.69-89。
- ^ 金子孚水監修 『肉筆 葛飾北斎』 毎日新聞社、1975年11月。
- ^ Three Women Playing Musical Instruments _ Museum of Fine Arts, Boston
- ^ 同じ瓶に入った酢を舐め、孔子は酸っぱし、老子は甘し、釈迦は苦しと言った場面を描いた画題。儒教・道教・仏教の言説は異なるが、帰するところは一つという寓意。
出典
- ^ 鈴木 1999, pp. 308–309.
- ^ a b 鈴木 1999, p. 309.
- ^ a b 鈴木 1999, p. 313.
- ^ 日野原 2017.
- ^ 鈴木 1999, pp. 309–310.
- ^ 鈴木 1999, p. 312.
- ^ 鈴木 1999, p. 311.
- ^ このエピソードは応為を主人公としたアニメーション映画『百日紅 ~Miss HOKUSAI~』での劇中でも描かれている。
- ^ 鈴木 1999, pp. 311–312.
- ^ 鈴木 1999, pp. 217–218.
- ^ 久保田(1995)
- ^ 久保田 2015, p. 26.
- ^ Operating on Guanyu's Arm _ Cleveland Museum of Art
- ^ "眩(くらら)〜北斎の娘〜". NHK. 2017年9月18日. 2023年4月22日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年4月22日閲覧。
- 1 葛飾応為とは
- 2 葛飾応為の概要
- 3 作品
- 4 応為が登場する作品
- 5 脚注
固有名詞の分類
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