自作キャラクターの商品化の拒絶
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/17 14:22 UTC 版)
「ビル・ワターソン」の記事における「自作キャラクターの商品化の拒絶」の解説
長年にわたり、ワターソンは作品の版権ビジネスを展開しようとする出版社の圧力に抗ってきた。彼にとって商品化はコミックの卑俗化であった。『カルビンとホッブス』のイラストレーションを店頭に並ぶマグカップやステッカー、Tシャツにプリントすることは、キャラクターとその人格を貶めるものであった。ホッブスは虎のぬいぐるみという設定のキャラクターだが、人形一つさえ製造されなかった。ワターソンは作品のアニメ化を許さず、スティーヴン・スピルバーグのオファーにも興味を示さなかった。 ワターソンは『カルビンとホッブス』のシンジケート配信を行っているUPSから絶え間ない圧力を受けたと語っている。キャリアを始めたころ、二つのシンジケートから不採用を受けた後にUPSからチャンスをもらってのぼせ上がり、契約書をよく読まずにサインしたのだという。契約は極めて一方的なものであり、UPSが望めば作者の意思に反して商品化権を許諾することも、作者を排除してほかの漫画家に『カルビンとホッブス』を描き継がせることさえも可能であった。ワターソンは最終的に勝利をおさめ、自作のすべての権利を得る条件で再契約を結ぶことに成功した。しかし後に述べたところでは、商品化権に関する闘争は心身を消耗させるもので、1991年に9か月の長期休暇を取った理由の一つもそれであった。 ワターソンの苦闘を尻目に、非公式のコピー商品が多数生産されている。その中には、カルビンとホッブスがアルコール飲料を飲んでいたり、カルビンがロゴマークに小便をかけているような商品さえある。ワターソンは「カルビンとホッブスを商品化して金を稼いだのは泥棒と文化破壊者だけだ」と発言したことがある。ネヴィン・マーテルはこの問題について書籍を書いている。
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