聖家族 (小説)
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『聖家族』(せいかぞく)は、堀辰雄の短編小説。師であった芥川龍之介の自殺の衝撃から創作された作品で、文壇で認められた堀辰雄の出世作であり、初期の代表作でもある[1][2]。ある青年が、敬愛する師の死をきっかけに、師の恋人だった夫人と彼女の娘と出会い、師と夫人の関係に、青年自身と少女の恋愛を重ねながら自己のあり方を確立してゆく物語。死者を軸にした3人の微妙な心理描写が、ラディゲやコクトーから学んだ理知的な手法や文体で描かれている[2][3]。堀は初版刊行にあたって、「私はこの書を芥川龍之介先生の霊前にささげたいと思ふ」という献辞をつけている[4]。
- ^ a b 横光利一「序文」(『聖家族』江川書房、1932年)。横光全集16 1987, p. 384
- ^ a b c d e f g h 「師・芥川龍之介の死を超えて」(アルバム 1984, pp. 14–25)
- ^ a b c d e f g h 丸岡明「解説」(燃ゆる頬 1970)
- ^ a b c d 源高根「解説」(菜穂子 2003, pp. 291–304)
- ^ 「解題」(全集1 1996, pp. 682–685)
- ^ 「数学志望から文学志望へ」(アルバム 1984, pp. 2–13)
- ^ a b c d e f 川村 2005
- ^ 堀辰雄「芥川龍之介論―芸術家としての彼を論ず」(東大国文科卒論、1929年1月)。全集4 1996, pp. 559–609
- ^ a b 堀辰雄「詩人も計算する」(初出タイトル「芸術のための芸術について」)(新潮 1929年5月13日・第27巻第2号)。全集4 1996, pp. 610–621、全集3 1996, pp. 201–209、菜穂子 2003, pp. 292–293
- ^ 堀辰雄「あとがき」(『堀辰雄作品集1』角川書店、1946年)。全集4 1996, pp. 254–259
- ^ 桐山 2012
- ^ 松原 2011
- ^ 小川 1984
- ^ 影山恒男「聖家族 解説」(愉楽3 1991)
- ^ 松田嘉子「扁理とアンリエット」(現代文学 1982年6月・第25号)。
- ^ a b c 堀辰雄「詩人も計算する」(初出タイトル「すこし独断的に――超現実主義は疑問だ」)(帝国大学新聞 1929年12月・第337号)。全集6 1996, pp. 448–452、全集3 1996, pp. 201–209、菜穂子 2003, pp. 292–293
- ^ a b 堀辰雄「レエモン ラジィゲ」(第一書房 文學 第5号・1930年2月1日号)。全集3 1996, pp. 210–216、菜穂子 2003, p. 293
- ^ a b 堀辰雄「小説のことなど」(新潮 1934年7月号・第31巻第7号)。全集3 1996, pp. 224–234、菜穂子 2003, p. 293
- ^ 水島 2005
- ^ a b c d e f 福水 1962
- 1 聖家族 (小説)とは
- 2 聖家族 (小説)の概要
- 3 あらすじ
- 4 登場人物
- 5 テレビドラマ化
- 6 外部リンク
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