私立牧野図書館
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1915年(大正4年)12月18日には大正天皇御大典を記念して、三河地方の文献を収集した私立牧野図書館を創設した。開館にあたっては豊橋市の榎本書店から2,000円の予算で図書を購入している。また個人所有の古文書、寄贈書、寄託書などを加えて、20,000冊以上の蔵書を有していた。 牧野図書館は信玄病院の敷地の一画にあり、縦・横各6間の2階建て洋風建築の書庫と、同規模の平屋建ての閲覧室があった。司書の代わりに事務員2人がおり、無料で図書の館外貸出を行っていた。愛知県庁や南設楽郡役場などからも閲覧者があり、売店も備えていた。読書会の会場としても使用されていたが、牧野図書館は1924年(大正13年)頃に閉館となった。 1923年(大正12年)の『愛知県教職員録』によると、当時の愛知県には公立・私立あわせて19の図書館等施設があり、南設楽郡には牧野図書館と南設楽郡教育会附属図書館があった。1937年(昭和12年)には二代目牧野文斎によって、約13,000冊の蔵書が新城町役場に寄贈された。牧野の蔵書の中には多くの和本があり、国文学研究資料館がマイクロフィルム化している。 牧野の蔵書は新城市立新城中学校に預託されていた。1987年(昭和62年)5月には新城地域文化広場に、新城市初の図書館である新城図書館(ふるさと情報館)が開館しており、2階の郷土図書室に「牧野文庫」が設置された。なお、新城市八束穂にあった牧野文庫の2階建書庫は、2000年代まで取り壊されずに残っていた。2017年(平成29年)4月29日には、「設楽原をまもる会」と「忠震会」の合同記念講演会「設楽原顕彰の恩人・牧野文斎氏を語る」が開催された。
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