発電用水の流れ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/07/07 00:25 UTC 版)
大井川は1928年(昭和3年)最上流部に田代ダムが建設されたのを皮切りに、塩郷ダム完成まで数多くのダムが建設された。特に戦後は井川ダムなどの大規模な発電専用ダムが建設されたが、大井川の水を余すことなく有効に利用するため、発電所間をトンネルで結んで合理的な水利用を行った。 井川ダムより放流された水は直下流にある奥泉ダムで取水され、大井川ダム湖畔の奥泉発電所(認可出力:92,000 kW)で発電された後放流されるが直ちに大井川ダムで取水され、寸又川ダム(寸又川)へ放流され大井川発電所(認可出力:68,200 kW)で再度発電される。発電された水はトンネルより横沢川第二ダム(横沢川)を経て境川ダム(境川)へ送られ、久野脇発電所(認可出力:32,000 kW)で発電されて今一度放流される。放流された水は今度は塩郷ダムで取水され、トンネルを通じて笹間川ダムへ送水された後、再度トンネルを経て川口発電所に至り、発電された後に放流される。 こうして奥泉ダムより川口発電所に至るまでの区間、大井川の水は毎秒60 - 80トンが取水され各発電所で発電される。この発電所群による常時総出力は106,700 kWと大井川水系の全ての常時出力(227,800 kW)の半分を占め、一大電源開発地帯となった。さらに川口発電所より放流された水は直下にある川口取水口で再度取水され、大井川水管橋を経由して島田市神座で大井川両岸の農地に送水される大井川用水の水源にもなっており、毎秒約40トンの水が島田市・藤枝市・掛川市・袋井市などへ送水される。
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