発表当時
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/09 10:50 UTC 版)
『カンタベリー物語』がどのような人々を想定して書かれたかはわからない。チョーサーは廷臣だったが、宮廷詩人で貴族のために『カンタベリー物語』を書いたことを記す歴史的文献、知人たちの言及は存在しない。声に出して読んで聞かせるために作ったのではないかと示唆する意見もあり、それは当時としては一般的なことだったので、ありうることではある。しかし、『カンタベリー物語』の中でチョーサーが語り手(登場人物)としてではなく作者として自己言及している部分もあり(たとえば『貿易商人の話』)、「読者」も想定していたように見える。 チョーサーが存命中に作品が断片として、あるいは個別作品として出回っていたことは明かである。友人たちの間で回覧されていたが、大部分の人はチョーサーの死後までその存在を知らなかったという説がある。しかし、それ以降は写本の数からもその人気の高かったことは言うまでもない。
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