嶋中事件
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嶋中事件(しまなかじけん)は、1961年(昭和36年)2月1日に起こった右翼による言論抑圧を目的とした日本のテロ事件である。
注釈
- ^ 当時17歳であったので実名非公開。ただし事件直後より、実名情報が流れ、国会議事録にも実名小森一孝で記録されている。
- ^ こうした中央公論社の宙ぶらりんな体制に、深沢七郎本人はもちろんのこと、中央公論新人賞選考委員だった伊藤整、武田泰淳、三島由紀夫たちも「深沢は立派な一本立ちの作家じゃないか」と周辺にこぼしていたという[7]。
- ^ 昭憲皇太后は明治天皇の后にあたり、作品発表時はすでに故人であった。
- ^ 「ソック」とは拳骨の一撃、打撃のことで、「ソックもなく」は「ショックもなく」とほぼ同義。
- ^ 右翼は風流夢譚を皇室批判の左翼小説であると断じていた。国会答弁でも「夢物語とはいいながら、国家の象徴たる皇室を誹謗し、暴動を示唆扇動するがごとくに思われる内容」と評されており、それが世間一般の認識だった。作家や評論家の認識とはその点で齟齬があった。
出典
- ^ 風流夢譚事件 日立システムアンドサービス・百科事典マイペディア(コトバンク)
- ^ a b c 堀 1993
- ^ 塩倉裕 (2013年5月15日). “天皇制、タブーへの転機 「風流夢譚」事件の影響を検証”. ブック・アサヒ・コム. 2016年3月22日閲覧。
- ^ a b c d 白川浩司「遙かなる『文藝春秋』 オンリー・イエスタデイ2 第8回」『週刊ポスト』2012年3月9日号、p.131
- ^ a b c d e f g h 上條昌史「深沢七郎『風流夢譚』嶋中社長宅襲撃事件」『新潮45』2006年2月号、pp.78-81
- ^ a b c d e f 「よみがえる45年前の記憶 『風流夢譚』事件が私に教えた『言論の自由』より大切なもの インタビュー粕谷一希」(宝島事件史 2006, pp. 52–57)
- ^ a b c d e 「九 『風流夢譚』事件の余波」(岡山 2014, pp. 59–65)
- ^ a b c d e 塩倉裕 (2013年8月20日). “「風流夢譚」、電子化で解禁 半世紀前、テロ誘発した問題作”. ブック・アサヒ・コム. 2014年2月26日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年4月12日閲覧。
- ^ a b 永江朗「永江朗の充電完了4」『週刊文春』2013年10月10日号、p.119
- ^ a b c d 長島 2011, pp. 4–8
- ^ 『週刊文春』1960年12月12日号
- ^ a b 川端 2012
- ^ 渡邉文男 (2011年9月22日). “老舗出版社倒産――社長は「風流夢譚」事件の関係者”. 探偵ファイル. 2014年4月15日閲覧。
- ^ a b 新聞集36 2013
- ^ a b 「第四章 著名人の時代」(佐藤 2006, pp. 110–143)
- ^ 原田信一、古橋健二「当世右翼の11大問題」(平成右翼 1989, p. 73)
- ^ a b 中村 1976, p. 22
- ^ a b 京谷 1996, pp. 141–147
- ^ 根津 2008
- ^ 粕谷 1999
- ^ 参議院質問に立った高田なほ子議員(日本社会党)の言葉。
- ^ 猪野 2005, p. 275
- ^ 村野 2002, p. 336
- ^ 元木 2009, pp. 85–86
- ^ 「「開かれた皇室」は何をもたらしたか」『新潮45』、特集 「昭和」が消えてゆく ; 失われた価値観12月、新潮社、53頁、2013年。
- ^ 京谷六二「幻の小説「風流夢譚」を電子書籍化した理由」 『マガジン航』 2011年12月14日
- ^ a b 「『風流夢譚』の推薦者ではない――三島由紀夫氏の声明」(週刊新潮 1961年2月27日号)。31巻 2003, pp. 534–535
- ^ a b 「世界の破滅に抗して」(徹 2010, pp. 118–131)
- ^ 吉田昌志「深沢七郎」(事典 2000, p. 576)
- ^ ケネス 2003, p. 287。「世論調査」は毎日新聞1961年2月6日のものであると注釈に書かれている。
嶋中事件(風流夢譚事件)
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「中央公論」の記事における「嶋中事件(風流夢譚事件)」の解説
詳細は「嶋中事件」を参照 1960年(昭和35年)に『中央公論』に深沢七郎「風流夢譚」が掲載されたことに端を発する嶋中事件は、岸信介首相襲撃事件、浅沼稲次郎暗殺事件など、安保闘争に対抗するかのような一連の右翼テロの一つであった。
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