寺越事件とは? わかりやすく解説

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寺越事件

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/14 03:28 UTC 版)

寺越事件(てらこしじけん)とは、1963年昭和38年)5月11日夜から翌5月12日未明にかけて、石川県羽咋郡高浜町(現、志賀町)高浜港沖で、漁船「清丸(きよまる)」に乗船して漁に出ていた寺越昭二(当時36歳)、弟の寺越外雄(当時24歳)、甥の寺越武志(当時13歳)の3名が洋上で失踪した事件[1]。この事件は、3名が乗船していた漁船の名から清丸事件(きよまるじけん)と称することがある[2]。3名のうち、少なくとも寺越外雄と寺越武志は後に北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)で生存している事実が確認された[2]。北朝鮮工作員による拉致事件であることが濃厚であるが[1]、北朝鮮当局は「北朝鮮の船が遭難していた3人を救助した」と主張している[3]。昭二の息子3人は拉致被害者の「家族会」に入会しているが、他方で武志の母親・友枝は入会を断り独自に訪朝するなどしている。


注釈

  1. ^ 昭二の妻トシ子は、13歳を頭に3人の子(昭男、政男、美津夫)をかかえていたが、死体を見るまでは死んだとは考えられないと葬儀には参加しなかった[4]
  2. ^ 安明進によれば、呉求鎬教官には当時、拉致被害者の日本人教官に近づいては外貨を巻き上げているという噂があったという[10]。また、ちょうどそこを通りかかった呉求鎬は自分の家に寺越武志らしき人物がよく来るのだと学生たちに語ったという[10]

出典

  1. ^ a b c d e f g h i j k l m 寺越事件を石川県警に告訴・告発(2003/11/27)”. 救う会全国協議会ニュース. 北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会 (2003年11月27日). 2021年12月24日閲覧。
  2. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q 高世(2002)pp.164-170
  3. ^ a b c 寺越外雄さんの死亡認定取消しが決定(2010/05/13)”. 救う会全国協議会ニュース. 北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会 (2010年5月13日). 2021年12月24日閲覧。
  4. ^ a b c d e f g h i j k l 『家族』(2003)pp.325-333
  5. ^ a b c d e f g 『家族』(2003)pp.334-339
  6. ^ 『家族』(2003)pp.363-366
  7. ^ a b c d e f g h i 『家族』(2003)pp.339-342
  8. ^ a b c d 増元るみ子さん戸籍回復へ-鹿児島家裁が失踪宣告取り消し(2009/06/15)”. 救う会全国協議会ニュース. 北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会 (2009年6月15日). 2021年12月24日閲覧。
  9. ^ 安(2000)pp.180-182
  10. ^ a b c d e 安(2005)pp.138-143
  11. ^ a b c d e 『家族』(2003)pp.342-346
  12. ^ a b c 「外雄の子供は日本人や」-寺越文雄さんコメント(2010/05/14)”. 救う会全国協議会ニュース. 北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会 (2010年5月14日). 2021年12月24日閲覧。
  13. ^ a b c 『家族』(2003)pp.346-348
  14. ^ a b 「寺越事件」拉致と認識 救う会要望に古屋担当相 北國新聞 2013年5月18日
  15. ^ a b 行方不明から50年…寺越事件の究明求め要請文 読売新聞 2013年5月17日
  16. ^ “HAB制作番組がギャラクシー賞 寺越事件のドキュメンタリーで”. 朝日新聞. (2023年3月28日). https://www.asahi.com/articles/ASR3W7K2NR3SOXIE00F.html 2023年5月23日閲覧。 


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