寄生退化説と反論
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/24 15:33 UTC 版)
van Benedenがニハイチュウを原始的な多細胞動物とした(原始的多細胞動物説)のに対し、1922年にLameereや1937年・1954年にStunkard、そして1947年にヌベル (Nouvel)は扁形動物の吸虫類が寄生生活に適応したため体制が単純化したとする寄生退化説を唱えた。特にStunkardは1937年にはニハイチュウ類を「退化または極めて特殊化した扁形動物で、現生の何れの扁形動物でもなく、それらの祖先形を持つ動物から由来した動物群」、また1954年に「渦虫類・二胚虫類・吸虫類・条虫類はプラヌラ planulaに似た仮想的な共通祖先に由来する」と論述した。これに対し1959年にHymanはこの見解を「論理的に、退化した扁形動物がその祖型動物ではありえない」と鋭く反論し、「ニハイチュウ類がプラヌラ様祖型動物の状態に留まっているということの容認であり、ニハイチュウ類が扁形動物の退化型であるとする先の見解と矛盾する」とし、加えて吸虫類と同様な生息場所を占めるにも拘らず吸虫以上に退化した体制を持つことへの説得性の不足を指摘した。
※この「寄生退化説と反論」の解説は、「二胚動物」の解説の一部です。
「寄生退化説と反論」を含む「二胚動物」の記事については、「二胚動物」の概要を参照ください。
- 寄生退化説と反論のページへのリンク