境界 (位相空間論)とは? わかりやすく解説

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境界 (位相空間論)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/28 09:59 UTC 版)

一般位相において位相空間 X の部分集合 S境界(きょうかい、英語: boundary, frontier)とは、S の中からも外からも近づくことのできる点の全体の成す X の部分集合のことである。もうすこし形式的に言えば、S の触点(閉包に属する点)のうち、S の内点(開核に属する点)ではないものの全体の成す集合のことである。S の境界に属する点のことを、S境界点(boundary point) と呼ぶ。S境界を持たない (boundaryless) とは、S が自身の境界を包含しないこと、あるいは同じことだが境界点がひとつも S に属さないことをいう[1]。集合 S の境界を表すのに、bd(S), fr(S), ∂S[2] のような記法がしばしば用いられる。代数的位相幾何学における境界 (boundary) の概念との区別のため、ここでいう境界に対応する語として "boundary" の代わりに "frontier" を用いることがある(たとえば松坂『集合・位相入門』[3])。


  1. ^ 原文ではここで「距離の概念からくる非有界集合 (unbounded set) と区別して」という補足を付けているが、日本語では混乱はあるまい。
  2. ^ a b 最初のふたつはそれぞれ boundary, frontier の省略形からきている(が、省略の仕方は変えてもいいし省略しなくてもいい)。これ以外の記法としては、松坂では frontier の頭文字を右肩に載せる Sf を用いている。内部 (interior) = 開核 (open-kernel) や触集合 (adherence) = 閉包 (closure) あるいは補集合 (complement) などについても同様の記法を使う。閉集合については上付きバーで表すこともあるが、日本の教育数学方言では補集合にバーを使う傾向があり紛らわしい。
  3. ^ 原文では Willard, General Topology が挙げられている


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