古典統計力学と適用限界とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > ウィキペディア小見出し辞書 > 古典統計力学と適用限界の意味・解説 

古典統計力学と適用限界

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/05 16:03 UTC 版)

熱的ド・ブロイ波長」の記事における「古典統計力学と適用限界」の解説

ザックール・テトローデ方程式」も参照 古典統計力学において、自由粒子からなる理想気体では、分配関数分配関数から導かれるエントロピー熱的ド・ブロイ波長用いて表すことができる。 質量を m とする自由粒子からなる理想気体温度 T の熱平衡状態にあるとする。粒子数を N 個、系の体積をVとすると、カノニカル分布での分配関数は Z ( T , V , N ) = V N N ! ( 2 π m k B T h 2 ) 3 N / 2 {\displaystyle Z(T,V,N)={\frac {V^{N}}{N!}}{\biggl (}{\frac {2\pi mk_{B}T}{h^{2}}}{\biggr )}^{3N/2}} で与えられる。これは熱的ド・ブロイ波長用いて Z ( T , V , N ) = V N N ! λ T 3 N {\displaystyle Z(T,V,N)={\frac {V^{N}}{N!\lambda _{T}^{3N}}}} と表すことができる。このとき、ヘルムホルツの自由エネルギー F=−kBT ln Z から、エントロピーは S ( T , V , N ) = − ∂ F ∂ T | V , N = N k B { 5 2 + ln ⁡ ( V N λ T 3 ) } {\displaystyle S(T,V,N)=-\left.{\frac {\partial F}{\partial T}}\right|_{V,N}=Nk_{B}\left\{{\frac {5}{2}}+\ln {{\biggl (}{\frac {V}{N\lambda _{T}^{3}}}{\biggl )}}\right\}} と求まる対数関数の項の中に現れる v=V/N は1粒子当たりの体積であり、vと 熱的ド・ブロイ波長3乗 λT3の比は実現可能な微視的状態の数に対応している。 このエントロピー温度とともに減少し、やがては負の値をとり、絶対零度負の無限大となる。これは絶対零度エントロピーゼロとなるという熱力学第3法則反する。エントロピーゼロとなるのは、対数関数の項が正から負となる v λ T 3 = V N λ T 3 ∼ 1 {\displaystyle {\frac {v}{\lambda _{T}^{\,3}}}={\frac {V}{N\lambda _{T}^{\,3}}}\sim 1} 付近である。これは熱的ド・ブロイ波長l = v 1 / 3 = ( V N ) 1 / 3 {\displaystyle l=v^{1/3}={\biggl (}{\frac {V}{N}}{\biggr )}^{1/3}} で定まる平均粒子間距離 l に近づく低温では、古典統計力学適用限界となり、量子統計力学適用が必要となることを示唆している。

※この「古典統計力学と適用限界」の解説は、「熱的ド・ブロイ波長」の解説の一部です。
「古典統計力学と適用限界」を含む「熱的ド・ブロイ波長」の記事については、「熱的ド・ブロイ波長」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「古典統計力学と適用限界」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「古典統計力学と適用限界」の関連用語

古典統計力学と適用限界のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



古典統計力学と適用限界のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの熱的ド・ブロイ波長 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS