切妻形
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/07/05 01:19 UTC 版)
屋根の内側にトラス構造を用いることで、壁への荷重を減らしつつ広い径間を確保している。 ポストトラス 世界初のトレイン・シェッドであるリヴァプール・クラウン・ストリート駅(ロバート・ステファンソン設計)をはじめ、初期の小規模なシェッドは木製のクイーンポスト・トラス構造である。1837年のパディントン駅(ブルネル設計)からは、垂直材が直接タイ・ロッド(屋根の頂点)に接続されるキングポスト・トラスが用いられている。1839年のユーストン駅(ステファンソン)からは、建材として鋳鉄が用いられるようになる。 ポロンソー・トラス 1837年にフランスのカミーユ・ポロンソー(フランス語版)によって発明された構造であり、支持する壁にかかる横圧力を減衰させるため、ポストトラスより大きな径間のシェッドを構成できる。1840年以降フランスを中心に普及した。またアーチ形のトレイン・シェッドでも、ポロンソー方式のトラスを用いた例がある。 ハウトラス 垂直材の間に対角線状に部材を追加した方式。1840年にアメリカのウィリアム・ハウ(英語版)によって発明され、アメリカでは広く用いられた。 ディヨン式トラス ポロンソー・トラスの改良型で、水平方向の部材が不要となり、より広い空間を構成できる。1878年のパリ万国博覧会機械館で初めて用いられたが、それ以前の1875年のロンドン・リバプール・ストリート駅のトレイン・シェッドもこれに近い構造である。ただし、トレイン・シェッドでのディヨン式トラスの採用はトゥール駅(1898年)など少数に留まる。 リヴァプール・クラウン・ストリート駅(クイーンポスト・トラス) ロンドン・ユーストン駅(キングポスト・トラス) マルセイユ・サン・シャルル駅(ポロンソー・トラス) トゥール駅(ディヨン式トラス)
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