冥王星の準衛星とする仮説
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/03/15 21:00 UTC 版)
「(15810) 1994 JR1」の記事における「冥王星の準衛星とする仮説」の解説
1994 JR1は、発見から18年経った2012年になって、冥王星の準衛星であるという仮説が提唱された。すなわち見かけ上は、冥王星から見れば1994 JR1は衛星に見える振る舞いをする。しかし他の惑星で発見されている準衛星が、その天体に接近し、天体の重力による1:1の軌道共鳴によって準衛星となっているのに対し、1994 JR1の場合は冥王星ではない他の天体、すなわち海王星の重力による軌道共鳴によって、冥王星と1:1の軌道共鳴をしている。これは2013年現在、1994 JR1のみで見られている性質である。1994 JR1は、約10万年前からこの軌道にあり、あと約25万年間はこの軌道を維持していると考えられている。また、後の観測を元にした計算では、1994 JR1が冥王星の準衛星であるとする仮説で述べられている力学的な状態が確認された。 しかし、1994 JR1を冥王星の準衛星とみなすべきかについては、天文学者の間で広く合意が得られているわけではない。これは上述の通り、この天体は冥王星にではなく主に海王星の重力によってその軌道を支配されており、海王星からの影響と比較すると、冥王星から受ける影響は一時的であり小さいものだからである。また、後のニュー・ホライズンズの観測により天体の位置と軌道が詳細に決定され、冥王星の準衛星であるという仮説には否定的な結果が得られている。
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