保障国の立場
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/06 14:03 UTC 版)
中立国は、中立条約締結国によって中立の法的地位を保障されるのを原則としている。ゆえに、中立保障国は中立国の独立と領土の保全を尊重し、その独立が第三国によって侵犯されたならば、武力をもってこれを排除する義務を負う。このため1955年のオーストリアの永世中立国化によって、オーストリアはスイスの保障国から離脱したという事例もある。 一方で、オーストリアの永世中立化に当たっては、国際条約を交わすという形式を取らず、交換公文によって行われたが、これらの国はオーストリアの中立を尊重するとしたものの、保障は行わなかった。中立を保障したのは、オーストリアとソ連の間で交わされたモスクワ覚書によるものである。 また、保障国は中立国の憲法改正など、内政干渉する権利は持たない。しかしクラクフ共和国が大量の亡命者によって政府転覆された(クラクフ蜂起)際には、亡命者の受け入れを禁じた事前協定に反するとして、保障三国(プロイセン王国・オーストリア=ハンガリー帝国・ロシア帝国)による軍事占領が行われた事例もある。
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