不公正な取引の規制
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/12/23 16:50 UTC 版)
「1934年証券取引所法」の記事における「不公正な取引の規制」の解説
1933年証券法にも、不公正な取引に対する規制(反詐欺条項)が含まれるが、1934年証券取引所法の制定時には、反詐欺条項の射程と、買い手が私訴権(政府による訴訟ではなく、個々の私人が株式発行者又は関係者を相手に民事訴訟を提起することができる権利)を有するか否かについて未解決の問題が残っていた。1934年証券取引所法の10条(b)、及びそれに対応するSEC規則10b-5は、不公正な取引に対する包括的な規制を設けている。証券取引法10(b)(改正後の条文)は、次のように規定している(抄録)。 いかなる者も、直接又は間接に、何らかの州間通商の手段若しくは方法、又は何らかの全国的証券取引所の設備を用いて、次の行為をすることは違法とする。(b) 全国的証券取引所に登録されたいかなる証券、若しくはその登録がされていないいかなる証券の売買に関しても、又は証券に基づくスワップ取引の合意(グラム=リーチ=ブライリー法 (en:Gramm-Leach-Bliley Act) 206B条に規定)に関しても、証券取引委員会が公益のため又は投資家の保護のために必要又は適切なものとして定めることができる法令及び規則に反するような、何らかの操縦的又は詐害的な計画又は仕組みを使用し、又は採用すること この1934年証券取引所法10条(b)は合衆国法典第15編第78j– b条 15 U.S.C. §§ 78j–bに法典化されている。 証券関係訴訟における本法10条(b)及び規則10b-5の適用範囲は広く、実用性は大きい。規則10b-5は、インサイダー取引のケースについてだけではなく、価格操作(株式の操作によって意図的に株価を上昇させ、又は下落させること)、株価を上昇させるための偽の会社売却情報、さらには関連情報を投資家に提供しなかったケースにまで適用されてきた。証券関係訴訟の分野における原告は、個別的な証券取引所法の反詐欺条項違反のほかに、本法10条(b)及び規則10b-5違反を「キャッチオール」の(包括的な)主張として陳述する場合が多い。
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