ヤブマメ属とは? わかりやすく解説

ヤブマメ属

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/09/07 05:25 UTC 版)

ヤブマメ属
ホッグピーナッツ
分類
: 植物界 Plantae
階級なし : 維管束植物 Tracheophytes
階級なし : 被子植物 Angiosperms
階級なし : 真正双子葉類 Eudicots
: マメ目 Fabales
: マメ科 Fabaceae
亜科 : マメ亜科 Faboideae
: インゲン連 Phaseoleae
亜連 : ダイズ亜連 Glycininae
: ヤブマメ属 Amphicarpaea Elliott ex Nutt.
シノニム
  • Amphicarpa Elliott ex Nutt., orth. var.
  • Falcata J. F. Gmel.

ヤブマメ属(藪豆属・薮豆属、学名Amphicarpaea)はマメ亜科インゲンマメ連ダイズ亜連に含まれるの一つである。主に北アメリカ及び東ユーラシア大陸に生息する顕花植物である。近縁種として大豆及びTeramnus(中国語: 鈎豆属)等が挙げられる。

また、ヤブマメ属は形態的にShuteria(中国語: 宿苞豆 属)に近いとされていたが、分子系統解析によると系統上全く離れていることが明らかとなっている。一方、外部形態での区別が困難であったものの、花粉形態では発芽溝の発達程度に明瞭な違いがあるとされている[1]

分類

元々ヤブマメ属は、アフリカのA. africana、アメリカのA. bracteata及びアジアのA. edgeworthiiA. ferrugineaA. lineataに分類され、4-5種によって構成されるとされていたが、大橋広好らの花粉形態についての研究により、A. africana Hook.f.) HarmsShuteriaに属すること、またA. lineata Chun & T. C. ChenはShuteria hirsuta Baker[2]と同種であることが明らかになった。

さらに、同氏らの研究の分子系統解析の結果により、A. africana (Hook.f.) Harms は花粉形態と分子系統の矛盾を解決するため、新属Afroamphicaに整理され、Afroamphica africana (Hook.f.) H. Ohashi & K. Ohashiと命名された[3]。同様にS. hirsutaShuteriaS. vestita)とグレードが離れ、Cologaniaと近縁であるとことが判明されたが、花・豆果・染色体数の差異や地理的分布の隔離により、新属Harashuteriaに整理され、S. hirsutaHarashuteria hirsuta K. Ohashi & H. Ohashiと名称が変更された。[4]

現在、ヤブマメ属は以下の3種によって構成されている。

  • ホッグピーナッツ A. bracteata (L.) Fernald – 東北アメリカに分布[5]
  • ヤブマメ A. edgeworthii Benth. - 東アジア・東南アジア(中国・インド・日本・韓国・ロシア・ベトナム)に分布[6][7]
  • A. ferruginea(中国名: 繡毛兩型豆)- アジア - [1]

脚注

  1. ^ a b 大橋広好; 大橋一晶 (2016). “マメ科ヤブマメ属の分類,特に花粉形態に基づくShuteriaとの関連”. 植物研究雑誌 91 (suppl): 231-249. doi:10.51033/jjapbot.91_suppl_10733. 
  2. ^ E. C. Stuart Baker (1864–1944; 鳥類学者) もしくはジョン・ギルバート・ベイカー (1834–1920; 植物学者)
  3. ^ 大橋広好; 大橋一晶 (2018). “マメ科ヤブマメ属の分子系統解析と新属Afroamphicaの設立”. 植物研究雑誌 93 (1): 9-17. doi:10.51033/jjapbot.93_1_10836. 
  4. ^ 大橋広好; 那谷耕司; 大橋一晶 (2017). “マメ科マメ亜科インゲンマメ連の新属Harashuteria”. 植物研究雑誌 92 (1): 34-43. doi:10.51033/jjapbot.92_1_10755. 
  5. ^ "Amphicarpaea", Natural Resources Conservation Service PLANTS Database. USDA
  6. ^ Sachiko Funayama, Ichiro Terashima and Tetsukazu Yahara (2001). “Effects of virus infection and light environment on population dynamics of Eupatorium makinoi (Asteraceae)”. American Journal of Botany 88 (4): 616–622. doi:10.2307/2657060. JSTOR 2657060. PMID 11302846. http://www.amjbot.org/cgi/content/full/88/4/616. 
  7. ^ Sa, Ren; Gilbert, Michael G., "Amphicarpaea edgeworthii", Flora of China, 10, eFloras.org, Missouri Botanical Garden, St. Louis, MO & Harvard University Herbaria, Cambridge, MAより。

ヤブマメ属

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/13 03:55 UTC 版)

「豆」の記事における「ヤブマメ属」の解説

ヤブマメなどを山菜として消費

※この「ヤブマメ属」の解説は、「豆」の解説の一部です。
「ヤブマメ属」を含む「豆」の記事については、「豆」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「ヤブマメ属」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「ヤブマメ属」の関連用語

1
56% |||||

2
14% |||||

3
12% |||||

4
6% |||||


6
4% |||||

7
2% |||||

ヤブマメ属のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



ヤブマメ属のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのヤブマメ属 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの豆 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS