ヤギの呪い
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/17 09:15 UTC 版)
「リグレー・フィールド」の記事における「ヤギの呪い」の解説
このリグレー・フィールドは、「山羊(ヤギ)の呪い(ビリー・ゴートの呪い)」でも知られている。 きっかけはカブスがワールドシリーズ出場を果たした1945年、タイガースを相手に敵地ブリッグス・スタジアムでの3試合を2勝1敗として4戦目を迎えた10月6日のことだった。地元シカゴのバー、「ビリー・ゴート・タバーン(Billy Goat Tavern)」のオーナーを勤めるビリー・サイアニス(William "Billy" Sianis, 1895年 - 1970年10月22日)はカブスのファンで、マーフィーという名のヤギを飼っており、いつも一緒に応援に出かけていた。ビリーはいつもマーフィーの分のチケットまで買うほどだった。ところがシリーズ4戦目のこの日、カブス関係者が今まで問題にしていなかったマーフィーの入場を拒否した。理由はマーフィーの臭いだった。これに激怒したビリーは「カブスは2度と勝てないだろう。リグレー・フィールドにヤギの入場が許されるまで、カブスは2度とワールドシリーズに勝てない」と言い放って球場を後にした。 カブスはこの試合から全て本拠地リグレー・フィールドで戦えたが、第六戦以外は敗れて3勝4敗でワールドチャンピオンを逃すと、それ以降2016年にリーグ優勝を果たすまでワールドシリーズ優勝はおろか、ワールドシリーズ出場すら果たせないでいた。1972年と1983年にはビリーの甥のサムが再び山羊を連れて球場へ観戦しに行ったのだが、ここでも入場を断られ、直後にカブスがリーグ首位から陥落した。 2003年のナショナルリーグチャンピオンシップシリーズ(マーリンズ戦)でカブスは3勝2敗で迎えた第6戦もリードし、あとアウト5つでナショナルリーグ優勝とワールドシリーズ出場が決まる場面まで来た。しかし相手選手が放ったファウルフライをカブスファンの妨害がきっかけで落球。取れたはずのアウトを1個損したカブスは、ここからマーリンズに逆転されて第6戦を落とすと、続く第7戦にも敗れ、ワールドシリーズ出場をまたも逃した。このときもこのヤギの呪いが話題となったが、この試合もリグレー・フィールドで開催されたのは皮肉な運命である。 2015年にはワイルドカードゲームからリーグチャンピオンシップシリーズまで勝ち上がるものの、ニューヨーク・メッツにスウィープされて敗退。なお、このシリーズ全試合でホームランを打ってMVPに輝いたのが、件のヤギと同じ名前を持つダニエル・マーフィーであった。しかしながら、この呪いも翌2016年に71年ぶりのリーグ優勝を果たしただけでなく、更にはクリーブランド・インディアンスとの2016年のワールドシリーズにおいても、敵地プログレッシブ・フィールドでの優勝決定ではあるが、108年ぶりのワールドシリーズ制覇をも成し遂げた事で、名実ともにヤギの呪いは解かれた。 シカゴ・カブス#ビリー・ゴートの呪いも参照
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