モジュラ群のアイゼンシュタイン級数
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/23 07:36 UTC 版)
「アイゼンシュタイン級数」の記事における「モジュラ群のアイゼンシュタイン級数」の解説
τ を虚部が 正となる複素数とする。k ≥ 2 を整数としたとき、ウェイト 2k の正則アイゼンシュタイン級数(holomorphic Eisenstein series) G2k(τ) を G 2 k ( τ ) = ∑ ( m , n ) ∈ Z 2 ∖ ( 0 , 0 ) 1 ( m + n τ ) 2 k {\displaystyle G_{2k}(\tau )=\sum _{(m,n)\in \mathbf {Z} ^{2}\backslash (0,0)}{\frac {1}{(m+n\tau )^{2k}}}} と定義する。 この級数は、上半平面で τ の正則函数へ絶対収束し、下記に与える級数のフーリエ展開は、 τ = i∞ へ正則函数として拡張されることを示している。アイゼンシュタイン級数がモジュラ形式であることは注目すべき事実である。実際、キーとなる性質は、級数の SL(2, Z)-不変性である。明らかに、a, b, c, d ∈ Z で ad − bc = 1 であれば、 G 2 k ( a τ + b c τ + d ) = ( c τ + d ) 2 k G 2 k ( τ ) {\displaystyle G_{2k}\left({\frac {a\tau +b}{c\tau +d}}\right)=(c\tau +d)^{2k}G_{2k}(\tau )} となり、従って、G2k はウェイト 2k のモジュラ形式である。k ≥ 2 であるという前提は重要で、そうでないと非合理的に和の順番を変更したり、 SL(2, Z)-不変性が保てなくなる。事実、ウェイト 2 の非自明なモジュラ形式は存在しない。にもかかわらず、正則アイゼンシュタイン級数の類似物が k = 1 に対して、準モジュラ形式(英語版)(quasimodular form)でしかないが、定義することが可能ではある。
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