マシュケの定理
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2016/11/23 00:17 UTC 版)
数学、特に群の表現論においてマシュケの定理(マシュケのていり、英: Maschke's theorem)[1][2]とは、有限群の表現の既約表現への分解に関する定理である。ハインリヒ・マシュケに名を因む[3]。有限群 G のある標数 0 の体上の有限次元表現 (V, ρ) に対し、任意の G-不変部分空間 U は G-不変な直和補因子 W を持つこと、言い換えれば、表現 (V, ρ) が完全可約であることを述べるものである。より一般に、有限体のような正標数 p の体に対しても、p が群 G の位数を割り切らないならば、マシュケの定理は成り立つ。
- ^ Maschke, Heinrich (1898-07-22). “Ueber den arithmetischen Charakter der Coefficienten der Substitutionen endlicher linearer Substitutionsgruppen [On the arithmetical character of the coefficients of the substitutions of finite linear substitution groups]” (German). Math. Ann. 50 (4): 492–498. doi:10.1007/BF01444297. JFM 29.0114.03. MR 1511011 .
- ^ Maschke, Heinrich (1899-07-27). “Beweis des Satzes, dass diejenigen endlichen linearen Substitutionsgruppen, in welchen einige durchgehends verschwindende Coefficienten auftreten, intransitiv sind [Proof of the theorem that those finite linear substitution groups, in which some everywhere vanishing coefficients appear, are intransitive]” (German). Math. Ann. 52 (2–3): 363–368. doi:10.1007/BF01476165. JFM 30.0131.01. MR 1511061 .
- ^ O'Connor, John J.; Robertson, Edmund F., "Heinrich Maschke", MacTutor History of Mathematics archive, University of St Andrews.
- ^ 半単純環上の加群は必ず半単純なので、任意の KG-加群が半単純であることが言える。
- ^ この主張は逆もまた正しく、体の標数が群の位数を割る(モジュラー型)ならば、群環は半単純でない。
- ^ 因子の数も計算することができて、それは群の共役類の数に等しい。
- ^ 実数体上既約であるような表現が複素数体上既約でないなど、係数体を取り替えれば表現の分解も変わるので、注意が必要である。
- ^ Lam, (6.1) Theorem.
- ^ Lam, (6.3) Proposition.
- 1 マシュケの定理とは
- 2 マシュケの定理の概要
- 3 参考文献
マシュケの定理
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詳細な記事:dictionnaire entre les représentations d'un groupe et les K[G]-modules マシュケの定理は有限群の表現論(英語版)における定理だが、有限群の群環の半単純性の言葉で解釈できる。 マシュケの定理。有限群 G の可換体 K 上の群環 K[G] は、K の標数が G の位数を割らないならば、半単純環である。 K[G]-単純加群は本質的に G の既約表現であり、これは(有限群 G について)正則表現の部分表現と同値なので、同型の違いを除いて有限個しかなく、それらはすべて有限次元である。
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