ボードレールの「猫」
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/05 08:31 UTC 版)
「愛撫 (小説)」の記事における「ボードレールの「猫」」の解説
基次郎は、アーサー・シモンズが英訳したボードレールの『悪の華』や『巴里の憂鬱』を愛読し、その中の一節をノートに写すなどしているが、ボードレールの『悪の華』には「猫」という名の詩が3篇収録されている。 この2篇目の「猫」の第2節では、基次郎が『愛撫』の中で小山田嘉一夫人・久子のイメージを原型に描いた夢の場面と似た「移り香」が綴られているが、その中には英訳でも原文のフランス語と同じ「caresse(愛撫)」という言葉が用いられている。 .mw-parser-output .templatequote{overflow:hidden;margin:1em 0;padding:0 40px}.mw-parser-output .templatequote .templatequotecite{line-height:1.5em;text-align:left;padding-left:1.6em;margin-top:0}その金色と栗色の毛皮から 実にやさしい香が発散するので、ある晩たった一度だけ愛撫してやったら 私にも移り香がしみついた —ボードレール「猫」(47番) 柏倉康夫は、この詩「猫」が源泉となり、「caresse(愛撫)」という言葉から、基次郎が自作『愛撫』のタイトルのヒントを得たと考えてまちがいないとしている。
※この「ボードレールの「猫」」の解説は、「愛撫 (小説)」の解説の一部です。
「ボードレールの「猫」」を含む「愛撫 (小説)」の記事については、「愛撫 (小説)」の概要を参照ください。
- ボードレールの「猫」のページへのリンク