ホール-エルー法とは? わかりやすく解説

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ホールエルー‐ほう〔‐ハフ〕【ホールエルー法】


ホール・エルー法

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/07/07 07:01 UTC 版)

ホール・エルー法(ホール・エルーほう、Hall–Héroult process)は、唯一実用化されているアルミニウム製錬方法。溶融させた原料を電気分解させることで目的物質を得る溶融塩電解の代表例である[1]1886年アメリカチャールズ・マーティン・ホールフランスポール・エルーによりそれぞれ独自に開発された[2]


注釈

  1. ^ 氷晶石と共に使用する融剤として、フッ化アルミニウムを挙げる資料も存在する[14]
  2. ^ 製造に際し要する電気の量として「アルミニウム1tを製造するのに20,000kWh必要」というふうな説明の仕方を採っている資料(動画資料)も存在するが、この動画資料では更に、飲料用アルミ缶(具体的な缶の大きさに関する説明は無いが、映像に登場するアルミ缶を目視する限りでは350ml入りアルミ缶と推測される)1個を製造するのに必要な電力として「100W電球を2日間点けっぱなしにするほどの電気量」とも説明している[16]

出典

  1. ^ 溶融塩電解”. コトバンク. 朝日新聞社. 2016年4月29日閲覧。
  2. ^ No.1 アルミ[原料]その1”. 『やさしい技術読本』1997年3月発行分. 神戸製鋼所(KOBELCO) (1997年3月). 2017年5月11日閲覧。
  3. ^ パリ万博で登場した「粘土から得た銀」”. 歴史を見たマテリアル. 神戸製鋼所. 2016年4月30日閲覧。
  4. ^ Manufacturer and builder / Volume 20, Issue 9, 1888”. 2016年4月30日閲覧。
  5. ^ George J. Binczewski (1995). “The Point of a Monument: A History of the Aluminum Cap of the Washington Monument”. JOM 47 (11): 20-25. Bibcode1995JOM....47k..20B. doi:10.1007/BF03221302. http://www.tms.org/pubs/journals/JOM/9511/Binczewski-9511.html. 
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    岩崎廣和「日本初のアルミニウム生産の工業化 : 認定化学遺産第028号「日本初のアルミニウム生産の工業化に関わる資料」(ヘッドライン:化学遺産,遺跡をたずねる)」『化学と教育』第64巻第1号、2016年、16-19頁、doi:10.20665/kakyoshi.64.1_16 
  7. ^ アルミニウムの歴史”. 日本アルミニウム協会. 2016年4月30日閲覧。
  8. ^ 大澤直『現場で役立つ金属材料の基本と仕組み』秀和システムズ〈図解入門 : How-nual. Visual Text Book〉、2015年、135頁。ISBN 978-4-7980-4325-8 
  9. ^ アルコア”. コトバンク. 朝日新聞社. 2016年4月30日閲覧。
  10. ^ 大澤直『よくわかるアルミニウムの基本と仕組み』秀和システムズ〈図解入門 : How-nual Visual Guide Book〉、2010年、39頁。ISBN 978-4-7980-2506-3 
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  14. ^ アルミニウムの製造工程”. アルミニウムとは(基礎知識). 日本アルミニウム協会. 2017年5月11日閲覧。 “当該ページ後半の「アルミナ→アルミニウム」項より”
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  16. ^ elements~メンデレーエフの奇妙な棚~(10)”電気の缶詰~アルミニウム~” (インターネット番組). 科学技術振興機構サイエンスチャンネル). (2004年). 該当時間: 08:40. https://sciencechannel.jst.go.jp/C043302/detail/C043302010.html 2017年5月11日閲覧。 
  17. ^ アルミとは?”. アルミ精密切削加工.COM. (株)昭洋精機. 2017年5月11日閲覧。 “当該ページ後半の「3.アルミ製錬と電気」項より”
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  21. ^ Apple、先進のカーボンフリー アルミニウム精練法の実現に 道を開く”. Apple Newsroom (日本). 2021年12月29日閲覧。
  22. ^ Appleがベンチャーとアルミの新製錬法の確立を目指す、温室効果ガスを低減”. MONOist. 2021年12月29日閲覧。
  23. ^ バリューチェーンで協力して進める アルミ生産の脱炭素化”. PROJECT DESIGN - 月刊「事業構想」オンライン (2021年3月31日). 2021年12月29日閲覧。
  24. ^ Rio Tinto Alma smelter site for first commercial demo of ELYSIS GHG-free aluminum smelting technology”. Green Car Congress. 2022年5月7日閲覧。
  25. ^ Primary Aluminum: Inert Anode and Wettable Cathode Technology in Aluminum Electrolysis” (英語). Light Metal Age Magazine (2020年2月19日). 2022年5月7日閲覧。
  26. ^ 世界初!アルミニウム-空気電池の初の二次電池化を実現”. 富士色素 (2013年). 2022年5月5日閲覧。
  27. ^ 南條道夫, 金井俊治, 伊藤良雅, 谷内研太郎「塩浴を反応媒体とするボーキサイトの塩化」『軽金属』第34巻第7号、軽金属学会、1984年、382-388頁、doi:10.2464/jilm.34.382ISSN 04515994CRID 1390282681316784512 
  28. ^ Øye, Bjarte (2019年3月28日). “Could the chloride process replace the Hall-Héroult process in aluminium production?” (英語). #SINTEFblog. 2023年6月21日閲覧。
  29. ^ 一司, 大日方「炭素還元によるアルミニウムの製造に関する諸研究」『軽金属』第14巻第2号、1964年、120-128頁、doi:10.2464/jilm.14.120 
  30. ^ 良吉, 真保、修, 小川、秀夫, 清水、佐吉, 後藤「アルミナの高温炭素還元に関する基礎研究」『日本鉱業会誌』第103巻第1191号、1987年、325-330頁、doi:10.2473/shigentosozai1953.103.1191_325 


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