ペストフの三角形
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/09 10:07 UTC 版)
「ビクター・ペストフ」の記事における「ペストフの三角形」の解説
ペストフは、1992年に発表した論文で、現代社会において活動する組織の類型化を説明し、特にボランタリー組織やNGOの重要性を指摘する議論を展開するための整理として、いわゆる「ペストフの三角形 (Pestoff triangle)」を発表した。これは、公的行政機関など「国家 (state)」、私企業などの「市場 (market)」、世帯や家庭などの「コミュニティ (community)」を三角形のそれぞれの頂点に近い領域に配置し、三角形の中央にボランタリー組織やNGOを配置することで、それぞれの組織原理の違いを説明するものであった。 ここで国家は平等の担い手、市場は自由の担い手、コミュニティは友愛の担い手として位置づけられ、それぞれと他の組織は「公的/私的」、「営利/非営利」、「非公式/公式」という対称軸によって区分され、中央におかれたボランタリー組織やNGOは「私的、非営利、公式」という性格で理解される。日本の文脈では、中央におかれたボランタリー組織をNPOと読み替えた上での議論がしばしば展開されている。 東洋大学教授の根本祐二は、これを拡張し、ペストフの三角形における中央の領域をコミュニティの位置に繰り込んで、「自助、共助、ボランティア」を含む「地域」として位置づけ直し、中央に「新しい公共」を置くという「PPP(英語版)のトライアングル」を提唱している。
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