ブレンステッド酸とルイス酸
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/20 20:36 UTC 版)
「ブレンステッド-ローリーの酸塩基理論」の記事における「ブレンステッド酸とルイス酸」の解説
いくつかのルイス酸(電子対受容体と定義)はブレンステッド酸として作用する。例えば、アルミニウムイオン Al3+ は水分子から電子対を受容する。 Al 3 + + 6 H 2 O ⟶ Al ( H 2 O ) 6 3 + {\displaystyle {\ce {{Al^{3+}}{+}6H2O->Al(H2O)6{}^{3+}}}} アクアイオンは弱いブレンステッド酸である。 Al ( H 2 O ) 6 3 + + H 2 O ⇄ Al ( H 2 O ) 5 OH 2 + + H 3 O + {\displaystyle {\ce {Al(H2O)6{}^{3+}\ +H2O\rightleftarrows \ Al(H2O)5OH^{2+}\ +H3O^{+}}}} .....Ka = 1.7 x 10-5p> 全体の反応としてはアルミニウムイオンの加水分解である。 しかし、すべてのルイス酸がブレンステッド酸として作用するわけではない。マグネシウムイオンも同様にルイス酸として6個の水分子と反応する。 Mg 2 + + 6 H 2 O ⟶ Mg ( H 2 O ) 6 2 + {\displaystyle {\ce {Mg^{2+}\ + 6H2O -> Mg(H2O)6^{2+}}}} しかしアクアイオンのブレンステッド酸としての強さは無視できる程度である(Ka ~ 10-12)ため、この反応ではプロトンは交換されない。 ホウ酸は、解離しないがプロトンが実質的に塩基の水に作用する酸として、ブレンステッド-ローリーの概念の有効性の例証となっている。 B ( OH ) 3 + 2 H 2 O ⇄ B ( OH ) 4 − + H 3 O + {\displaystyle {\ce {B(OH)3\ +2H2O\ \rightleftarrows \ B(OH)4^{-}\ +H3O^{+}}}} ここでホウ酸はルイス酸で、水分子の酸素から電子対を受容する。そして、2番目の水分子へプロトンが供与される。したがってブレンステッド酸として作用する。
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