ノーフォーク農法
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ノーフォーク農法(英:Norfolk four-course system)は、18世紀にイングランド東部のノーフォーク州で普及した輪栽式農法。ヤング『南部旅行記』以来コムギ→カブ→オオムギ→クローバーの四圃輪栽式農法とされるが、実際の18世紀ノーフォークでは、小麦の跡作として大麦栽培を実施し、クローバーの土地利用をもう1年延長した六圃輪栽式農法の型式が支配的であった[1]。活発な資本投下により土地集積と土壌改良が進められ、拡大する都市市場に向けた商業的な農業生産が発達した。
- ^ 飯沼二郎『農業革命の研究』(農山漁村文化協会,1985年)183‐184頁。例として同時代の農学者3名の記述を挙げており、ヤングはノーフォーク北部についてカブ→大麦または燕麦→クローバー(刈取)→クローバー(放牧)→小麦→大麦が最も一般的な作付方式とし、マーシャルは東部について小麦→大麦→カブ→大麦→クローバー→ライグラス、ケントは小麦→大麦→カブ→オオムギ(クローバーを混播)→クローバー(刈取)→クローバー(放牧)とした。四圃輪栽式農法は元々小麦作に適した粘質土壌を持つ東部で南寄りの一部地域でのみ見られた
- ^ 田淵淳一「イギリス資本主義農業の発展(1660-1760):とくに軽土地帯を中心として」『経済学研究』33-4(北海道大学,1984年)90頁
- ^ 飯沼二郎『農業革命の研究』(農山漁村文化協会,1985年)197-198頁。マーシャル曰く「他地方では、カブの中耕は、園芸家しか知らない秘法」とされる。ノーフォークでは1エーカーあたり6シリングでカブの中耕作業が可能であったのに対して、他州では8 - 12シリングは必要であると述べている。
- ^ 村岡健次/川北稔編著『イギリス近代史―宗教改革から現代まで(改訂版)』(ミネルヴァ書房,2003年)56頁
- 1 ノーフォーク農法とは
- 2 ノーフォーク農法の概要
- 3 影響
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