ティワナク社会崩壊の問題
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/09/04 14:44 UTC 版)
「ティワナク」の記事における「ティワナク社会崩壊の問題」の解説
現在では、この論争は、ティワナクの崩壊という問題へ形を変えて継続している。アラン・コラータは、気候変動による乾燥化でスカ・コリュの生産性が落ち、それがティワナク社会崩壊の引き金になったと論じる。それに対して、クラーク・エリクソンは、新環境決定論として反論している。 コラータらの調査に参加していた、ボリビア人考古学者のアラバラシン・ホルダンは、ティワナク社会が崩壊した後も、小規模にはなったものの盛り畑が利用されていたことをあげ、気候変動によるティワナクの崩壊について、疑問視している。さらに、コラータの生徒であったポール・ゴールドスタイン(Paul Goldstein)も、自身の調査地であるペルーのオモ遺跡群およびモケグア川(スペイン語版、英語版)周辺のエル・ニーニョ関連の調査から、気候の変化による乾燥化がティワナク崩壊の原因ではなく、エリクソンの述べる社会内部の不安定が遠因とする説に賛同すると述べている。ゴールドスタインによれば、コラータの述べる乾燥化による農耕システムの崩壊がモケグア谷では見られなかったとのべている。事実、A.D.1300年頃に起こった大規模なエル・ニーニョによる洪水は、モケグア川におけるティワナク関連遺跡の放棄時期の後に起こっているという。このように、現在でもティワナク社会の崩壊原因については論争が行われている。
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