チンチンナブルム
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チンチンナブルム(羅: tintinnabulum, 英: tintinnabulum, 仏: tintinnabulum)は、古代ローマ時代に使われた魔除けの一種。それは風鈴または組み合わされた鈴であり、大抵の場合勃起した陰茎をかたどっていた。その外見と音に邪視を遠ざけて[1]幸運と繁栄を呼び込む働きがあると信じられた。使用頻度は多くはないが、tintinnumの語形もある[2]。なお、カトリック教会で使用する鈴もtintinnabulum(羅: tintinnabulum, 英: bell, 独: Handgloche, 仏: cloche)と呼ぶ[3]が、本稿では古代ローマの魔除けについて述べる。
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- ^ 日本語のちんちんを、仮にチンチンナブルムに由来するとした場合、/tintin/が[tɕiʑin]や[tɕiɲ̟d͡ʑin]に変化せず、そのまま「ちんちん」として継承されていることは不自然であるとする反論がありうる(日琉祖語#濁音の起源参照)が、漢語を経由して借用されたならば二つの/tin/が独立の形態素として認識されて一番目の/n/の前鼻音化ないし後続する/t/の濁音化が阻害され「ちんちん」の形態が保たれることが十分に考慮されうる(例:
文鎮 )。しかしながら、口語として最後期のラテン語とされる中世ラテン語の使用時期は遅くとも7世紀までであり、それまでに上代日本語との言語接触は記録されておらず、また「ちんちん」が江戸期まで文献に現れないことも説明できない。日本語と接触している他言語(漢語、朝鮮語、サンスクリット語等)を経由して「ちんちん」となったとしても、それらの言語におけるチンチンナブルムという単語の使用が確認できないことの説明もまたできない。
- 1 チンチンナブルムとは
- 2 チンチンナブルムの概要
- 3 参考文献
- 4 外部リンク
- チンチンナブルムのページへのリンク