ストップ・ロムニー運動
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/08 14:26 UTC 版)
「ティーパーティー運動」の記事における「ストップ・ロムニー運動」の解説
リーダー不在という問題(後述)から、2012年の共和党大統領候補者争いではティーパーティー運動は中間選挙の時のような存在感をまだ発揮できていなかった。特にハッカビーとドナルド・トランプの相次ぐ不出馬表明では、支持集会の突然のキャンセルと相まって混乱を広げ、さらに候補者レースが始まってもまだ態度を保留するペイリンの姿勢は支持者とマスコミを困惑させた。危機感を強めたティーパーティーとフリーダムワークスは、有力視されている中道派の候補・ミット・ロムニー前マサチューセッツ州知事に狙いを定めて、ストップ・ロムニー運動を始めた。フリーダムワークス幹部のアダム・ブランドンは、誰が大統領候補に相応しいかは決めていないとしつつも、「もちろんロムニーを止めるつもりである」と言い、地方のティーパーティー活動家達も同じ意見だとした。これを裏付けるように、6月2日、先の中間選挙のアラスカ州上院選挙に敗れたジョー・ミラーとネバダ州のティーパーティー団体が、ストップ・ロムニー・キャンペーンを始めたことが報じられた。しかし2011年6月13日、CNNほかの主催でニューハンプシャー州のマンチェスターで開かれた第1回共和党候補者討論会では、前評判通りにロムニーが支持率で他を大きく引き離した。この討論会では候補者7人中少なくとも4人(ポール、バックマン、ケイン、ギングリッチ)がティーパーティー候補で、ほかも保守派の支持をあてにして保守候補同士で票を食い合う状態で、ロムニーが一歩抜け出す要因となったからである。ロムニーは知名度抜群で、資金力もあるが、知事時代に施行した医療制度改革法はオバマ大統領の連邦医療制度改革法と基本的枠組みが同じであり、ティム・ポーレンティー候補から「オバムニー・ケア」と皮肉られるほどで、右派であるティーパーティーとは相性が悪い。ストップ・ロムニー運動の草の根は、穏健派である同候補への保守派の頑なな拒否反応の表れだった。
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