サルコグリカノパチー
学名:sarcoglycanopathy
ふくらはぎに仮性肥大があって、デュシェンヌ型に多少似るが、常染色体劣性遺伝をとる疾患が知られていました。それは本邦では悪性肢帯型筋ジストロフィー(三好)、欧米の教科書ではchildhood muscular dystrophy (Walton)などとよばれていたのです。Tunisia地方に多くみられる患者はsevere childhood autosomal recessive muscular dystrophy: SCARMDとして報告されています。これらの疾患はジストロフィン結合蛋白であるサルコグリカン複合体(図6参照)の欠損であることが明らかにされました。最も多いのはαサルコグリカン(adhalinともよばれる)欠損です。α、β、γ、δいずれのサブユニット遺伝子の変異も見つかっています。いずれのサブユニットの遺伝子の欠損でも、常染色体劣性遺伝をとり、臨床症状はよく似ています。臨床症状や筋生検からはサルコグリカノパチーの診断は容易です(図14)。しかし、どのサブユニット遺伝子変異であっても、αーδ全てのサブユニットの欠損をみるので、どのサブユニットの遺伝子の変異かはそれぞれの遺伝子を直接検査しないとわかりません。
ふくらはぎに仮性肥大があって、デュシェンヌ型に多少似るが、常染色体劣性遺伝をとる疾患が知られていました。それは本邦では悪性肢帯型筋ジストロフィー(三好)、欧米の教科書ではchildhood muscular dystrophy (Walton)などとよばれていたのです。Tunisia地方に多くみられる患者はsevere childhood autosomal recessive muscular dystrophy: SCARMDとして報告されています。これらの疾患はジストロフィン結合蛋白であるサルコグリカン複合体(図6参照)の欠損であることが明らかにされました。最も多いのはαサルコグリカン(adhalinともよばれる)欠損です。α、β、γ、δいずれのサブユニット遺伝子の変異も見つかっています。いずれのサブユニットの遺伝子の欠損でも、常染色体劣性遺伝をとり、臨床症状はよく似ています。臨床症状や筋生検からはサルコグリカノパチーの診断は容易です(図14)。しかし、どのサブユニット遺伝子変異であっても、αーδ全てのサブユニットの欠損をみるので、どのサブユニットの遺伝子の変異かはそれぞれの遺伝子を直接検査しないとわかりません。
手足の力が4−5歳から弱くなり、ふくらはぎに偽性肥大をみ、デュシェンヌ型に似る。 筋生検でサルコグリカノパチーの診断をうけた。αサルコグリカン遺伝子に変異が認められた。 | |
図14:サルコグリカノパチーの女児例 |
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