グランザイムBを介したアポトーシス
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/08 14:23 UTC 版)
「グランザイムB」の記事における「グランザイムBを介したアポトーシス」の解説
標的細胞内では、グランザイムBがイニシエーターカスパーゼのカスパーゼ-8、-10(英語版)、エフェクターカスパーゼのカスパーゼ-3、-7(英語版)を切断して活性化することでアポトーシスを開始する。グランザイムBに対する感受性が最も高いのはカスパーゼ-7であり、カスパーゼ-3、-8、-10は中間体断片へと切断されるだけで、十分な活性化にはさらなる切断が必要である。 グランザイムBには300以上の基質が存在し、ミトコンドリア外膜のMcl-1(英語版)を切断し、Bim(英語版)に対する阻害を緩和させる。BimはBAX/BAKのオリゴマー化、ミトコンドリア膜の透過化とアポトーシスを刺激する。グランザイムBはHAX1(英語版)も切断し、ミトコンドリア膜の脱分極を促進する。 グランザイムBはBID(英語版)も切断し、BAX/BAKのオリゴマー化とミトコンドリアからのシトクロムcの放出を引き起こす。ICAD(英語版)の切断は、アポトーシスと関係したDNAの断片化とラダー(英語版)パターンの形成を引き起こす。 グランザイムBはミトコンドリアの活性酸素種を細胞傷害レベルで産生し、細胞死を媒介する。カスパーゼ非依存的な細胞死経路は、ウイルスによるカスパーゼの阻害とアポトーシスの防止に打ち勝つために生じたものであると考えられている。
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