ウスマーン版ムスハフの構成
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ウスマーン版ムスハフは、神の啓示を年代順にまとめて章を構成していない。その中には、『クルアーン』の編集時において、初期啓示が、改訂されて、後期啓示として編集されているものもある、とする研究もある。預言者の権威を確立させている箇所はすべてメッカで啓示されたものである、という見解は、ムスリムにおけるクルアーン研究においては基本的なものであるとされる。各章には、メッカ啓示・メディナ啓示の区分けがされている。 また、クルアーン全体に関して、バスマラと呼ばれる句のある章句とない章句とがある。この観点から、啓示全体を二つに分けることも可能であるといえる。バスマラがないのは9章のみであるが、9章は剣の句があり慈悲とは相反する傾向を打ち出している。9章は全体として宣戦布告に関する内容であるとされる。「多神教徒は神の子供に女の名前を付けたりする」、という啓示がある。そのことから見えてくることは、編集者がバスマラをつけなかったのかもしれない、ということだ。もうひとつは、9章の啓示を下した霊的存在が、「神に女の名前は不要」としたことも考えられる。バスマラの性質としては、慈悲深い神のことを示したものである。アラビア語では「慈悲あまねく(アッラフマーン)」という語と、「慈悲ぶかき(アッラヒーム)」という語は、文法的に女性名詞であるとされているまた、17章110節は、神の名をアッラー(男性名)と呼ぶか、ア・ラーフマン(女性名)と呼ぶかについて論争があったことを示している、とされている。
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