あいなし

デジタル大辞泉

あい‐な・し

［形ク］

１ 感心できない。気にくわない。

「親の、今は—・きよし、いひにやらむと」〈更級〉

２ おもしろみがない。つまらない。あじけない。

「梨の花…葉の色よりはじめて、—・く見ゆるを」〈枕・三七〉

３ 調和に欠けている。そぐわない。

「老人の事をば、人も笑はず、衆に交りたるも、—・く見ぐるし」〈徒然・一五一〉

４ どうにもならない。むだである。

「誰も誰もあやしう—・きことを思ひ騒ぎて」〈源・東屋〉

５ （連用形を副詞的に用い）程度がはなはだしいさま。むやみに。やたらに。

「上達部、上人なども—・く目をそばめつつ」〈源・桐壺〉

[補説] 歴史的仮名遣いは「あい」か「あひ」か不明。語源についても「愛無し」「あひ（間・合）なし」、さらに「あやなし」「あへなし」の音変化などと、諸説がある。

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あいなし

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あいなし

出典:『Wiktionary』 (2020/06/04 13:22 UTC 版)

形容詞

あいなし

1. 分別もない。
   • かんだちめ・うへ人なども、あいなく目をそばめつつ（『源氏物語・桐壺』）

     上達部や殿上人なども、分別なく目をそらして、

2. →愛なし

関連語

• 類義語:
  • うちつけなり
  • いはんかたなし
  • せんなし