『鏡の国のアリス』
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/27 15:06 UTC 版)
「トゥイードルダムとトゥイードルディー」の記事における「『鏡の国のアリス』」の解説
ルイス・キャロルの『鏡の国のアリス』では、第4章「トゥイードルダムとトゥイードルディー」にて、森の中に住んでいる互いにそっくりな二人の小男として登場する(彼らは外見も服装もよく似ているが、襟の部分に「ダム」「ディー」と別々の刺繍がしてあることで区別ができる)。森に迷い込んだアリスは森から出る道を聞くために二人を訪ねるが、アリスは彼らの古い歌をちゃんと知っており、彼らに会うとすぐにその歌詞を思い浮かべる。アリスは道を聞く目的をなかなか果たせず、なんとなく3人で踊りだしてしまったり、トゥイードルディーから「セイウチと牡蠣」という長たらしい滑稽詩を聞かされたりする。そのあと轟音のいびきを立てて眠っている「赤の王」のところに案内されたアリスは、二人から自分が赤の王の夢の中の人物にすぎないのだという話を聞かされる。しかしやがてトゥイードルダムは、ドゥイードルディーが自分のあたらしいがらがらを壊してしまったことに気づき、それからは歌の内容の通りに決闘の準備をはじめ、そして歌の通りに巨大な鴉が飛来してきて決闘はうやむやになってしまう。 この場面を描いたジョン・テニエルによる挿絵では、二人は当時スケルトン・スーツと呼ばれていた男子小学生用の服を着せられている。マイケル・ハンチャー『アリスとテニエル』によれば、二人のこの姿はテニエルがそれ以前に『パンチ』誌に描いたジョン・ブルの姿とよく似ている。またテニエルは、トゥイードルディーが壊してしまうがらがらを、よく知られている円筒形のものではなく、土佐の鳴子に似た、柄に木片がついた形で描いている。キャロルはのちに、ヘンリー・サヴィル・クラークに宛てた1886年の書簡において、これは「番人用のがらがら」であり、テニエルはトゥイードルダムとトゥイードルディーのいさかいに誤った解釈を持ち込んでしまったと不平を述べている。
※この「『鏡の国のアリス』」の解説は、「トゥイードルダムとトゥイードルディー」の解説の一部です。
「『鏡の国のアリス』」を含む「トゥイードルダムとトゥイードルディー」の記事については、「トゥイードルダムとトゥイードルディー」の概要を参照ください。
- 『鏡の国のアリス』のページへのリンク