RWD-8 (航空機) 概要

RWD-8 (航空機)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/09/28 01:48 UTC 版)

概要

RWD-8は1931年ポーランド空軍によって出された練習機の要求に応じて開発された単発単葉のタンデム式復座プロペラ機である。開発はRWD社で行われ、最初の試作機は1933年に初飛行した。

RWD-8の構造は鉄および木材を使用したフレームにキャンバス製や合板製の外張りを施したオーソドックスなもので、復座の操縦席は前後に分かれておりそれぞれ独立した風防が取り付けられていた。出力120hp(90kW)の4気筒空冷直列型エンジンに2枚羽のプロペラを装備し、最高速度175km/hで飛行可能であった。

RWD-8はポーランド空軍の練習機採用プログラムで競合機種のPZL 5英語版バーテル BM-4英語版に勝利し、基本練習機として採用された。RWD-8は非常に安定した、操縦性の良い練習機であった。また不整地での短距離離着陸性能(STOL)も優れていた。

RWD社の製造部門であるDWL英語版の生産キャパシティーはそれほど高くなかったため、ポーランド空軍はRWD-8を国営工場であるPWS英語版でも行う事を決定した。DWLはわずかな設計費用のみで製造ライセンスをPWSに譲渡した。

PWSはポーランド軍向けおよび民間向けのRWD-8を製造し、DWLは民間向けのみを製造した。PWSによって製造された最初のRWD-8は1934年に初飛行した。このタイプはRWD-8 PWSと呼ばれ、DWLで製造されたRWD-8 DWLとは細部が異なっている。具体的にはエンジンタンク容量が異なる事(DWL製の85リットルに対しPWS製は75リットル)、主脚のショックアブソーバーが少し細い事、機体重量がわずかに重くその分速度が少し遅い事などである。

50機のRWD-8 PWSには航続距離を増やすために容量95リットルの増槽が装備された。また少数の機体には、視界の無い状況での飛行訓練を行うため後席に覆いが取り付けられた。また、グライダーを曳航するためのフックを取り付けることも可能であった。1930年代後半には、RWD-8の設計を発展させた練習機としてRWD-17英語版が開発された。

総計約550機のRWD-8が1934年から1939年にかけて製造された。内訳はDWLで約80機、PWSで約470機である。RWD-8はこの時点で、最も多く製造されたポーランド製航空機であった。







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