M6トラクター 特徴

M6トラクター

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/11 17:44 UTC 版)

特徴

M6は前述のようにM1 240mm榴弾砲及びM1 8インチ砲、更にはM1 120mm高射砲を牽引するために用いられ、戦後はM1/M2(M115) 203mm榴弾砲の牽引にも用いられた。牽引力は最大 60,000 ポンド(約 27.2 トン)[1]で、車体後面下部には最大牽引力 60,000 ポンドのウィンチを装備した[1]

M6 上面
この車両は後部区画の弾薬庫を8インチ用のものとしている

各部はM4高速牽引車と同様に前部を乗員室、中央部に機関室、後部は弾薬庫とした構成となっており、乗員室は半密閉式とし、最前部に操縦席と横掛けの座席があり、その後方に横掛けの座席が前後対向式に2列備えられている構成もM4と同様である。車体後部には弾薬庫を設置していることも同様であるが、M4とは異なり牽引する砲に合わせて搭載弾薬を変更する場合は弾薬庫区画を丸ごと取り替えるのではなく、内部の弾薬搭載ラックのみを変更する方式となっている。弾薬庫には240mm砲弾及び装薬を20発、8インチ砲および4.7インチ高射砲(M1 120mm高射砲)ならば砲弾及び装薬を24発搭載可能となっていた[2]

M2運搬台車(M2 Transport Wagon)に積載された状態のM1 8インチ砲の砲身部分

M6でM1 240mm砲及びM1 8インチ砲を牽引する場合、砲を砲身部と砲架及び砲脚部に分割し、2両一組で1門を輸送した。砲の分解・搭載作業のためにはM2 20トントラッククレーン(Truck Mounted Crane M2)[3]を必要とし[注釈 6]、2時間程度の時間と多数の人員を必要とした。
前述(「#開発・生産」の節参照)のように試作型のT22では砲を牽引する際には車体後部区画に第五輪を介して車輪付きの被牽引架台に載せた砲身もしくは砲架および砲脚を結合して牽引するセミトレーラー方式とされていたが[4]、この方式は最終的には採用されず、実用型のM6では分割した砲をそれぞれ3軸6輪の運搬台車(M2 / M3 Transport Wagon )に搭載し[注釈 7]、台車を連結具を介して車体後面のピントルフックに連結して牽引する。
この他、M6で牽引できる2軸4輪の弾薬輸送用トレーラ(M23 Ammunition Trailer)(積載量8トン)があり、使用時には1軸2輪の砲架車(M5 Heavy Carriage Limber)を介して牽引した。トレーラは2両を連結しての牽引も想定されていた[6]

アメリカ軍の開発した他の高速牽引車と同様、乗員室の天面には自衛用に全周旋回可能な円周式機銃架があり、M49CリングマウントにM2 12.7mm機関銃を装備し、弾薬500発をキャビン内に搭載した。







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