K-POP K-POPの日本進出の背景

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K-POP

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/08/01 07:27 UTC 版)

K-POPの日本進出の背景

日本の音楽市場との格差

K-POPアーティストが、日本語を習得して日本語の歌で次々デビューしている背景には、日本の音楽市場規模が韓国の約30倍と破格に大きいことに加え、韓国ではいわゆるCDアルバム日本円で約1000円前後と、音楽に対する商用価値が低いことも挙げられている。世界各国の全てのジャンルを含めた音楽売上高(市場規模)をレコード会社収入ベースで見ると、2008年平成20年)は世界総計で184億米ドルの売上高があり、そのうちアメリカ合衆国と日本の2国合計で、世界シェアの約50%を占めて他を圧倒している。売上高順位1位がアメリカ合衆国の49億7700万米ドル(同27%)、2位が日本の41億0900万米ドル(同22%)であり、以下大きく数字を引き離し、3位がイギリスの18億4500万米ドル(同10%)、4位がドイツの16億2700万米ドル(同9%)、5位がフランスの10億5000万米ドル(同6%)[4]で、3位以下の主要3国合計でも、アメリカ合衆国の単独売上に達せず、2位の日本の単独売上とほぼ同数に留まっている。そんな中で韓国については、わずか1億4000万米ドルで18位だった(世界シェア1%[4]。また、2008年平成20年)9月リーマン・ショック以降、大韓民国ウォン1997年平成9年)のアジア通貨危機以来の安値まで暴落し、値を戻しながらもウォン安傾向が続いているため、日本市場を重視した形で攻略する方が、結果的には利益が多くなる可能性が高い状態となっていることも、韓国ショービジネスの日本進出の動機の1つとなっている。

日本の音楽市場の現実

韓国語が日本語と文法的に近いため、文法的に遠い英語中国語よりは習得し易く、同じ単語も多く翻訳が容易であることがある。そういった意味から、マーケティングのしやすさであり、ビジネス交渉のしやすさを作りだしていることも背景として挙げられる。一方、日本の音楽産業としては、レンタルビジネスの定着や、インターネットの普及と楽曲の音楽配信などの影響もあって、従来メディアとしての「CD」の売上高が、1998年平成10年)の5879億円をピークに、 わずか10年後の2009年平成21年)には2460億円と、半分以下にまで減少して危機的状況にあったこと[要出典]も特筆しなければならない。その対策として、ほぼ素人に近い新人アイドル(歌手、芸人、俳優)の大量販売や、人気の定着を待たないベスト盤販売など、実力派アーティストを育てない、第一印象主義の使い捨て的新譜の大量発売(薄利多売)が主戦略として行われており、そういった状況下(音楽の低価値化)においては、円高 ウォン安によって日本人アーティストより安価な労働力と言える韓国人アーティストを輸入した方が、素材面で明らかにビジネスリスクが低い上、ある程度までの基礎的育成は本国で行われるから、先行投資的な要素においても経費が省けて、ヒットの是非以前のコストパフォーマンスが良いという、マネージメント側の、典型的なデメリット回避的ビジネス指向に合致する場面が目立って行った[5]。韓流ドラマについても同様の理由で、日本のメディアにとってはビジネス上、魅力的であり、多くの作品が輸入され放映されている。なお、韓国から日本への文化輸出に制限はないが、その逆には制限がかかっている(「韓国での日本大衆文化の流入制限」参照)。 一方で2012年の李明博竹島上陸および韓国による天皇謝罪要求をきっかけとして、それまで堅調に伸びていた韓流ブームが突如として終焉を迎え、日本国内でのK-POPビジネスは大きな転換期を迎えている。

K-POPの世界(日米)戦略

韓国政府は、大韓民国国家ブランド委員会や韓国コンテンツ振興院(KOCCA)の設立等を通してコンテンツ産業振興・輸出の一環としてK-POPを強力に支援しており、2010年10月29日には東京国際フォーラムホールAでK-POPショーケースが全席無料招待で開催された[6]。また2011年には、欧州など海外で「新韓流ブーム」を巻き起こしているK-POPの今後のインフラを拡充するとして、スター育成に向けたK-POPアカデミー(仮称)支援事業や、2015年までの4年間で1兆ウォンの予算を投資するグローバルファンドを通じて韓流コンテンツ制作などを推進する予定であることなどが発表された[7]

韓国の2008年度の文化振興予算は1169億で、日本の1018億円より多い。国家予算比では日本の7倍であり[8]。自国市場規模がそれほど大きくない韓国はコンテンツ輸出産業に活路を求め、国家的な規模でK-POPをはじめとする商品の海外への宣伝と輸出を積極的に推し進めている。パリで開催したKorean Connectionでは韓国政府機関が後援し、Japan Expoでは韓国コンテンツ振興院が自らブースを出展して、K-POPを宣伝している[8]。また韓国政府の後援を受けたVANKもK-POP振興のためにネット上で積極的に活動を行っている。尚、政府から資金の注入された強引な宣伝は、「ゴリ押し」ともとられ、近年はその方法論議も相まって、各国で嫌韓を助長しているという向きもある[9][10]


注釈

  1. ^ 2015年頃に韓国で生まれた『愛国者』と『エンターテイナー』を合わせた造語
  2. ^ それ以前から日本で活躍した俳優やタレントは、まるで「踏み絵」のように竹島問題や日本の印象について記者から質問を受け、親日派のレッテルを貼られて芸能活動ができなくなることを恐れたタレントの多くは反日と受け取られる回答をしている。
  3. ^ 2017年、自身のインスタグラムに掲載した動画に白地に中央から放射線状に赤い色が広がる柄に染色された絞り染めのTシャツ姿が映っていた。
  4. ^ 2016年、自身のスナップチャットに旭日旗模様のスタンプ入りの写真を投稿した。
  5. ^ 2013年、2人で旭日旗がプリントされたペアTシャツを着た。
  6. ^ 2012年、東日本大震災への応援メッセージの意味で着たTシャツに旭日旗プリントがあった。
  7. ^ リハーサルの際に歌ったが、日本での活動に支障が出るとのことで本番では歌わなかった。
  8. ^ この曲では『ペクチェ (百済)』名義。
  9. ^ 過去にはナチスを思わせる帽子で写真に収まったリーダーのRMが非難を受けている。
  10. ^ 日本でいうウェブマスターのこと。

出典

  1. ^ K-POP=アイドルではない/古家正亨さんインタビュー 前編”. 日刊スポーツ. 2018年4月2日閲覧。
  2. ^ http://blog.daum.net/urangg/197
  3. ^ http://yurajun.tistory.com/3064
  4. ^ a b The Record 2009-08 Vol.597 特集「2008年 世界の音楽産業」社団法人日本レコード協会。数値はIFPI「Recording Industry In Numbers 2009」)
  5. ^ 2011年9月20日 朝日新聞『韓流番組、なぜ増えた? TV局「自前より安い」・韓国「輸出」に力』
  6. ^ K-POP Night in Japan 2010(韓国文化院)
  7. ^ [芸能]K-POPの競争力強化支援へ、韓国政府(統一日報 2011年6月22日)
  8. ^ a b “ジャパンエキスポに韓国が介入? 山田五郎のラジオ解説が波紋”. J-CASTニュース (ジェイ・キャスト). (2011年7月10日). http://www.j-cast.com/2011/07/10100988.html?p=all 2015年8月27日閲覧。 
  9. ^ etnews
  10. ^ cnngo
  11. ^ a b それでもなぜK-POPは世界を制したのか。韓国アイドルが政治を語り始めた理由”. Business Insider Japan (2018年11月25日). 2019年9月7日閲覧。
  12. ^ a b c d e 防弾少年団を「反日」にした「愛国ティナー」の圧力”. SmartFLASH. 光文社 (2018年11月20日). 2019年9月6日閲覧。
  13. ^ a b c d 原爆にナチス…火種抱えた「防弾少年団」は大統領のお気に入り”. SmartFLASH. 光文社 (2018年11月13日). 2019年9月6日閲覧。
  14. ^ 「KARA」、竹島問題質問に「沈黙」 韓国メディアから批判浴びる”. J-CASTニュース. ジェイ・キャスト (2012年8月24日). 2019年9月6日閲覧。
  15. ^ ソルヒョン(AOA)、「安重根」わからず…視聴者から非難殺到で謝罪”. WoW!Korea (2016年5月13日). 2019年9月6日閲覧。
  16. ^ 「BIGBANG」G−DRAGONの海外公演での衣装に旭日旗?韓国ネットで物議”. Record china (2017年8月10日). 2019年9月7日閲覧。
  17. ^ ヒョナ-ヒョンスン、旭日旗ペアTシャツ論争「コンセプトは?」”. 中央日報日本語版 (2013年11月27日). 2019年9月7日閲覧。
  18. ^ BIGBANG、BEAST、少女時代……韓国の若者は、なせ“旭日旗アレルギー”に燃料を投下してしまうのか”. サイゾー (2016年8月18日). 2019年9月7日閲覧。
  19. ^ a b 韓国“K-POP”は反日ソングだらけ! あの『少女時代』までも反日ソングを歌う - ガジェット通信” (日本語). ガジェット通信 (2010年8月31日). 2011年10月15日閲覧。
  20. ^ 日本入国拒否された歌手イ・スンチョルの「独島コンサート」とは?”. 中央日報日本語版 (2014年11月11日). 2019年9月6日閲覧。
  21. ^ "日本入国拒否"イ・スンチョルの「その日に」、音源配布4日で5万件の反応”. WoW!Korea (2014年11月18日). 2019年9月6日閲覧。
  22. ^ 防弾少年団、秋元康さんとのコラボ断念 韓国で批判”. 朝日新聞 (2018年9月17日). 2019年9月6日閲覧。
  23. ^ TWICE日本人メンバーがバッシングされるなか『FNSうたの夏まつり』に東方神起、IZ*ONEが出演 日本での反響は?”. 音楽ナタリー. 株式会社ナターシャ (2019年7月26日). 2019年9月6日閲覧。
  24. ^ BTS(防弾少年団)が日本で活動できなくなる? 韓国向け輸出規制への反発で噂される対抗処置”. 日刊サイゾー (2019年7月14日). 2019年9月6日閲覧。
  25. ^ a b c d BTSの"マスター"、相次ぐ活動休止の背景 K-POPシーン独自の文化を解説1”. Real Sound (2019年6月6日). 2019年9月7日閲覧。
  26. ^ a b c d BTSの"マスター"、相次ぐ活動休止の背景 K-POPシーン独自の文化を解説2”. Real Sound (2019年6月6日). 2019年9月7日閲覧。
  27. ^ a b c d K-POPアイドルを追う“チクドク”と過激な“サセン”の違い1”. NEWSポストセブン. 小学館 (2018年1月12日). 2019年9月7日閲覧。
  28. ^ a b c K-POPアイドルを追う“チクドク”と過激な“サセン”の違い2”. NEWSポストセブン. 小学館 (2018年1月12日). 2019年9月7日閲覧。
  29. ^ 大好きなアーティストを1位に ストリーミング回数を操作する熱狂的ファンたち BuzzFeed News 2018年10月25日
  30. ^ 防弾少年団(BTS)全米1位獲得は“チャート不正操作”だった? 空前の快挙があぶり出した「K-POPの闇」 Nifty news 2018年9月30日
  31. ^ KRIS(元EXO)に米iTunesチャートの順位操作疑惑…不正行為と見なされビルボード順位から除外 wow korea 2018年11月8日
  32. ^ 「原爆Tシャツ」「ナチス帽」で苦境のBTS 全米1位の裏にある“異常”な実態 (2/5) ITメディアビジネス 2018 11月15日
  33. ^ 国会が小中女子グループ所属事務所を呼んだ理由は…”. 中央日報 (2010年9月30日). 2010年12月31日閲覧。
  34. ^ KBS「未成年ガールグループの衣装-ダンス規制を準備中」”. 中央日報 (2010年10月18日). 2010年12月31日閲覧。
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  36. ^ 【写真】少女たちの果敢な露出”. 中央日報 (2010年12月10日). 2010年12月31日閲覧。
  37. ^ 少女時代-KARA、法的措置を取るか?「強固に対応」 X SPORTS NEWS 2011年1月13日
  38. ^ 韓流中傷の日本漫画がネットに 事務所「強気の対応」表明 朝日新聞 2011年1月14日
  39. ^ 「K-POPの流行は韓国政府が操作した詐欺」…日本放送中央日報2011年2月28日
  40. ^ 高岡蒼甫「ここはどこの国だよ!」韓流ドラマばかりのテレビ局批判、2011年7月25日 J-CASTニュース、2011年7月28日閲覧。
  41. ^ 『フジテレビ(8ch)は韓国のテレビ局か』高岡蒼甫氏(@tkok_sosk_8228)一連の発言まとめ、7月24日までの
  42. ^ フジテレビの韓流騒動について、2011年08月15日
  43. ^ 「韓流が嫌なら見るな」は間違っている 作家・深水黎一郎がフジ騒動を分析、J-CASTニュース 2011年8月17日
  44. ^ a b 8・21フジテレビ韓流ゴリ押し・偏向報道抗議8000人デモのまとめ、ガジェット通信2011.08.21
  45. ^ NEWSポストセブン 2011.08.22配信
  46. ^ 【お台場デモ】8.21フジテレビ包囲、TV放送の正常化を求める運動[桜H23/8/22 ]
  47. ^ 朝日新聞 2011.9.1朝刊 37面
  48. ^ 도쿄 '반한류 시위' 1천명 운집‥"심상찮다"、MBC.2011.8.21
  49. ^ ロンドンオリンピックの歌手投票でK-POPを抜き初音ミクが1位に! 2位以下はK-POP続き
  50. ^ YOUTUBE.Emma Stone Is Obsessed With K-Pop - CONAN on TBS 2015-07-15.
  51. ^ Korean Group Ranks 2nd in Billboard Chart”. Korea Times (2007-11-10). 2011年7月16日閲覧。
  52. ^ Yoon, Lina. (2010-08-26) K-Pop Online: Korean Stars Go Global with Social Media. TIME. Retrieved on 2011-02-20.
  53. ^ Mrkic, Mike (2011年2月26日). “Korean pop the next big thing?”. Star Observer. 2011年2月27日閲覧。
  54. ^ billboard HOT 100 2012-10-6
  55. ^ Q.韓国でのレコードの種類を教えてください。「シングルアルバム」や「正規アルバム」って何?、もっと!コリア - 2020年8月1日閲覧。
  56. ^ 過去に所属にしていたアーティストも含まれています




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