Amazon Web Services
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/10 13:00 UTC 版)
アーキテクチャ その他
先述の通り AWS では200を超えるサービスを提供しているが、オンプレミスと同様の仮想サーバー機能をクラウドでも利用したいといったシンプルな要件であれば、ごく一部のサービスの組合せのみで構成が完了する。その要件の場合、専用線を構成するサービスである AWS Direct connect (DX) を用いてオンプレミスと AWS を接続した後、仮想的なネットワークを構成する Amazon Virtual Private Cloud (VPC) で利用するリージョンや IP アドレス、セキュリティグループ[※ 7]を指定し、作成した VPC 内で EC2 インスタンスを起動する、といったイメージになる。他には、例えばファイルサーバーの機能を利用したければ、Amazon Elastic File System (EFS) や Amazon FSx、リレーショナルデータベースを利用したければ Amazon Relational Database Service (RDS)、といった形で、利用するサービスを追加していく。EFS や RDS は、AWS によってサーバーが管理され、ファイルサーバーやデータベースの機能のみを利用できる便利なサービス(これらはマネージドサービスと呼ばれる[13])であり、クラウド環境のメリットを多く享受できるため AWS 環境において採用されやすいが、もちろん EC2 の仮想サーバー上に自身でファイルサーバーやデータベースを構成しても良い。
サーバーレスサービスもあり、例えば AWS Lambda は、実行したいプログラムを記述することで、そのプログラムが動作(処理)している間だけ料金がかかる形で利用することができる。たまにしか実行しないアプリケーションのためにサーバーを用意する必要が無い。
オンプレミスからの移行にあたっては、AWS が考える 7R[14] によって整理され、それぞれの移行方式を実行するためのサービスが提供される。バックアップインポート方式でシンプルに移行する方法(VM Import/Export)もあれば、レプリケーション方式でダウンタイムを短くする移行方法(AWS Server Migration Service)もある。データベースを移行するためのサービス(AWS Database Migration Service)なども用意されている。
ユーザーが各サービスを理解しやすいように、ブラックベルトオンラインセミナー[15] が AWS ジャパンによって提供されている。各サービスの概要などを説明した PDF 資料と動画コンテンツが用意され、無料かつユーザー登録不要で利用することができる。これとは別に通常の有償トレーニング(研修)も用意されている。
注釈
- ^ この当時はまだAmazon Web Services(AWS)という名称ではなかった。
- ^ かつての大阪ローカルリージョンのみ単一の AZ で構成されていた。2021年3月に大阪リージョンが正式リリースされたことによりマルチ AZ に対応した。
- ^ データセンターであるため、単一のデータセンターでも火災の対策や耐震設計が行われている。
- ^ ファイル。テキストファイルや、画像/音声/動画ファイル、Word や Excel のファイルなど。
- ^ イレブンナイン。1,000万個のオブジェクトがある場合、1つのオブジェクトが消失するのは1万年に1度。
- ^ アクセスが無いオブジェクトをより安価なストレージクラスに移動する、削除する、など。
- ^ AWS におけるファイアウォール機能。VPC の機能の1つ。AWS 内部向きと外部向き、それぞれで許可する通信を設定する。ステートフルであるため返りの通信に対する定義は不要。
- ^ サポートを受けるために AWS の設定などの構成情報は確認可能。一方で、EC2 で動作する仮想サーバーへのアクセスや、S3 オブジェクトへのアクセスなどは禁止されている。
- ^ 動画配信サイトなど莫大なトラフィックが発生する場合はその限りではない。CDN(Amazon CloudFront)を用いることで緩和される。
- ^ 夜間や、企業システムであれば営業時間外にリソースを減らすことができる。
- ^ コストの観点では一般に予め見積りが行われる
- ^ 東京リージョンのような通常リージョンではなく、ローカルリージョンと呼ばれる制限付きのリージョン。 AWS におけるリージョンは、複数の AZ で構成されるが、大阪ローカルリージョンについては AZ が1つのみで構成されていた。
出典
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