王様ゲーム (小説)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/14 14:42 UTC 版)
あらすじ
※モバイル版と書籍化されているものとでは若干物語に違いがある。時系列は『起源』→『臨場』(2009年)→『起源』(終章)→『無印』→『終極』=『臨場』(2010年)→『滅亡』→『再生』→『煉獄』→『深淵』の順。
- 王様ゲーム
- 金沢伸明のクラスに、「王様」を名乗る人物から「王様ゲーム」という謎のメールが届く。クラスメイトたちは当初は面白半分でそのメールに書かれた命令に従っていたが、命令3で命令に従わなかったクラスメイト2名が、翌日首を吊って自殺する。その後も命令に従わないクラスメイトたちは次々と変死し、命令の内容も次第に過激になっていく。王様の正体が明らかにならないまま、最終的に伸明だけがクラスの中で生き残り、伸明は王様を見つけだしてゲームを終わらせるために、「王様ゲームを続ける」選択をする。
- 王様ゲーム 終極
- 1作目から7か月後、伸明が転校した先のクラスで再び王様ゲームが始まる。クラスメイトたちは次々と死んでいき、最終的に伸明と松本里緒菜、そして過去に王様ゲームを体験したことのある本多奈津子の3人だけとなる。33年前に夜鳴村で起きた王様ゲームについて調べていた学者宮澤からの電話で、王様の正体が新種のウイルスであること、感染者たちが全員死ねばゲームが終わるであろうことを告げられる。それでも生きることに執着する奈津子は里緒菜によって重傷を負わされながらも伸明を殺害し、直後に自身も死亡。最後に生き残った里緒菜も入水して自殺するが、日付けが変わると同時に、日本全国の高校生を対象とした王様ゲームが始まる。
- 王様ゲーム 臨場
- オカルトマニアの児玉葉月は、ある時ケータイ小説の『王様ゲーム』が現実で起こっている出来事だと知り、本多奈津子がかつて通っていたという紫悶高校に向かう。すでに廃校となっていたその場所で、葉月は奈津子が体験した王様ゲームについて記録されたノートを見つける。奈津子の過去を知った葉月は夜鳴村に向かい、そこで奈津子の父親にして33年前の王様ゲームの生き残りである本多一成と対面。使命感に駆られていた葉月は一成の頼みで彼を殺害するが、のちに夜鳴村に訪れた伸明をみて自分が未来を変えてしまったことを後悔する。夜鳴村を後にし、更新されていた『王様ゲーム 終極』を読んで伸明と奈津子が迎えた結末を知った葉月は、日本全体での王様ゲームに巻き込まれることになる。
- 王様ゲーム 滅亡
- 2010年6月8日。引きこもり生活を送っていた広島県在住の工藤智久は、日本全国の高校生を対象とした「王様ゲーム」を口実に渡辺修一と今村友香によって外に連れ出され、2人と共に岡山県に向かう。しかし、命令に従わなかった高校生が変死したことによって、智久たちは命がけのゲームに巻き込まれたことを知る。命令2で多くのクラスメイトを失った智久は、王様ゲームを終わらせるべく、母親からの情報で黒磨町の寄進会病院に向かう。そこで出会った宮澤から王様の正体がウイルスであることと、宮澤が遺体を回収した金沢伸明の生体組織を体内に宿すことで、宿主が死ぬ代わりにウイルスの抗体が完成することを教えられ、智久は自分が抗体を作ることを決意。身体の変異や記憶の混濁を起こしながらも、智久は命令6が終わる直前に抗体を作り終え、王様ゲームを終わらせる。その後、変わり果てた姿となった智久は、のちに「チャイルド」と呼ばれることになる新しい生物として生まれ変わる。
- 王様ゲーム 起源
- 1977年8月8日。本多一成が住んでいる夜鳴村に、「王様」と名乗る人物から「王様ゲーム」という手紙が届く。手紙に書かれた命令に従わなかった村人が次々と変死していき、最終的に一成とその従姉妹である本多奈津子の2人だけとなる。奈津子は、王様の正体であるウイルスは人抗薬陰師であった奈津子の祖先によって作られたものであること、その薬が入った壺を自分が割ってしまったことでゲームが始まったことを明かした後、村人たちを死なせてしまった責任をとるために毒を飲み死亡。一成は最後の命令で「罰を受ける」選択をするが、死なないまま一人生き残る。32年後、一成の娘である本多智恵美の元に「王様ゲーム」というメールが届く。
- 王様ゲーム 再生
- 日本を巻き込んだ王様ゲームから3か月後。2010年9月19日、ケルドウイルスとチャイルドによる世界の支配を目論む宗教団体リボーンによって、北海道で新たな王様ゲームが始まる。高校生の宮内雅人は、リボーンの幹部であるクラスメイト氷室香鈴を止めるべく奔走し、香鈴の独断で下された命令で最強のチャイルドとの殺し合いに勝利したことにより、チャイルドは全滅。リボーンの裏切り者として始末されそうになった香鈴を銃弾から庇って雅人は死亡、香鈴はウイルスを管理しているプログラムナノクイーンのパスワードを神崎斗志雄に教えた後で自殺し、北海道での事件は収束する。
- 王様ゲーム 煉獄
- 北海道での王様ゲームから1か月後。2010年10月29日、いじめによって自殺した北村智輝のための復讐として、赤池山高校2年A組で王様ゲームが始まる。クラスメイトたちは生き残りを賭けてグループに分かれて競い合い、殺し合うようになる。転校生の佐々山夢斗はクラスメイトのほとんどが死亡した後で屋上に呼び出され、そこで待っていた高橋星也が王様であったことを知る。智輝に性別を越えた感情を抱いていた星也は、関東で王様ゲームを始めようとしていたリボーンの残党からケルドウイルスとナノクイーンを奪い、智輝の自殺を止められなかったクラスメイトの罪を浄化するための煉獄として王様ゲームを計画した。クラスメイト全員の死を確信した星也は飛び降りて自殺するが、夢斗が伊藤由那の作戦で死を偽装されていた松崎風香と命令に服従したことによって、結果的に夢斗と風香の2人が生き残る。
- 王様ゲーム 深淵
- 2015年8月2日、国際交流の研修のために紅島に集まっていた日本、台湾、韓国の高校生と関係者を対象とした王様ゲームが始まる。日本の高校生天海翔真は、王様ゲームの中で次々と友人を亡くし、自身も脳出血を起こす重傷を負いながらも、王様の正体が林永明と小松崎美佳の2人であることを突き止める。殺人に興味があった永明と美佳はネットで知り合い、研修で引率を務める教師の1人がケルドウイルスとナノクイーンを入手したことを知って紅島での王様ゲームを計画したのだった。翔真は永明と美佳を殺害した後に死亡し、唯一生き残った黄若英は、美佳が死に際に明かしたナノクイーンのパスワードを使用して王様ゲームを終わらせる。
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