植物工場
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/03/29 05:06 UTC 版)
太陽光利用型の植物工場
太陽光利用型の植物工場とは、温室等の半閉鎖環境において、太陽光の利用を基本として、雨天・曇天時の補光や夏季の高温抑制技術等により、周年・計画生産を行う植物工場のことを言う。
施設によっては、人工光による補光を行うものがある。また部分冷却等も行われる。これは温度上昇に対して空調費を抑えるため、施設の上部を開閉して、植物体やその一部に対し冷却を行う方法である。
また、太陽光による温度上昇に対処するため、外気を導入できるよう半閉鎖的な構造とした施設もある。その場合には細菌等の侵入もあるため農薬も必要となる。
人工光による完全制御型の植物工場と比較した場合
- 利点
- 光源を主として太陽光とすることから、光熱費を低く抑えることができる。
- 完全制御型では採算の合わない作物や、根菜など完全制御型と相性の悪い作物でも生産可能。
- 完全制御型より維持コストは低額で済む。
- 欠点
- 完全制御型の植物工場ほどの高効率・周年生産は不可能である。
- 完全制御型の工場は高層化が可能で設置場所の制限がないが、太陽光利用型は農地で行われ、設置時に広大な敷地が必要になる[11]。
参考文献
- 日本生物環境工学会『植物環境工学 』Vol.24、日本生物環境工学会、2012年
- 高辻正基 『植物工場の誕生』日本工業新聞社、1990年。ISBN 4819105779。
- 森康裕; 高辻正基; 石原隆司 『トコトンやさしい植物工場の本』日刊工業新聞社〈今日からモノ知りシリーズ〉、2015年。ISBN 9784526074745。
関連項目
- ^ 森康裕, 高辻正基 & 石原隆司 2015, p. 14.
- ^ 高辻 1990, pp. 45–56
- ^ 会社概要 プライムデリカ株式会社
- ^ 安全・安心・新鮮を追求した都市型野菜工場 プライムデリカ株式会社
- ^ セブンイレブン/60億円投資、デリカ専用工場に野菜工場を併設 流通ニュース、2018年11月28日
- ^ セブンイレブン/相模原ベジタブルプラントが「ASIAGAP」取得 流通ニュース、2020年07月06日
- ^ a b 「危ない食品の時代、何を食べればよいのか」倒産続出、75%が赤字、植物工場でビジネスは無理?放射能汚染地や昭和基地が適地? 石堂徹生、Business Journal、サイゾー、
- ^ 植物工場「6割が赤字」に未来はあるか 日経ビジネス電子版、日経BP、2018年4月27日
- ^ 森康裕, 高辻正基 & 石原隆司 2015, pp. 50–69.
- ^ 植物育成システム 植物工場・補光照明 - パソナ アーバンファーム 都市型植物工場(東京都千代田区) 岩崎電気株式会社
- ^ 森康裕, 高辻正基 & 石原隆司 2015, p. 12.
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