出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/24 10:24 UTC 版)
TDHF 方程式
以上において用いた変分方程式
が TDHF 方程式と呼ばれることもあるが、数値計算において変分方程式を解くのはあまり簡単ではないためか、しばしば別の方程式が用いられる。
A 個の粒子を含む系に対するハミルトニアン
とスレイター行列式(Λ は反対称化演算子)
を用いて、作用
を最小化することで、次の方程式が得られる。これを TDHF 方程式と呼ぶ。
-
この右辺第 3 項は非局所的な効果を表す。この項を落とすことで、
が得られる。この W(r) が平均一体場である。
この TDHF 方程式は単一粒子に対するシュレーディンガー方程式と大変よく似ているが、ポテンシャル W(r) が他のすべての粒子の状態に依存しているため、厳密には反復法で解かなくてはならない。そのための試行関数としてスレイター行列式を用いる。
この形式での TDHF 方程式は(反復計算を除けば)結局のところ偏微分方程式であるから、多くの学生たちにとっては比較的扱いやすいものである。
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