受信機
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/04/04 13:22 UTC 版)
ゼネラルカバレッジ受信機(ワイドバンドレシーバ)
1930年代、無線の利用が長波・中波・短波と広がると、それらの全帯域をカバーするよう複数のRF部を持ったラジオがあらわれ「オールウェーブ」などと呼ばれていた。戦時中は外国からの(政府が自国民に隠蔽したい)情報や、場合によっては軍事通信を傍受できてしまう可能性すらあるそういったラジオは規制された(政治状況により、現在でも国によっては同様である)。
技術の進歩により、局部発振器としてアナログの発振回路ではなくPLLシンセサイザを用い、中間周波数を巧く設定するなどして、長波(LW)から極超短波(UHF)までを連続的に(設計によってはバンド切り換えは自動)受信することが可能となった。これをゼネラルカバレッジ(ゼネカバ)受信機、または、ワイドバンドレシーバという(ゼネカバは受信範囲が短波までの物に対して使われ、また1940年代までは超短波以上の電磁波は存在が確認されていなかったため同種のものが「オールウェーブ」と呼ばれていた)。初期は業務用の高額な受信機や、多バンド対応のアマチュア無線機の受信機能としてであったが、近年は民生用の小型のハンディ受信機もある。
ケンウッドのRZ-1、八重洲無線のFRG-965、スタンダード(日本マランツ)のAX700はSHARP製の海外向けCATV用チューナを転用している。信和通信機のSR001(受信周波数範囲 : 25 - 1000MHz)は、局部発振周波数を約1 - 2GHzにして1stIFをパーソナル無線の周波数付近に取り、パーソナル無線機の受信回路を転用している。この受信機は回路構成上は、長波から受信可能であったが、性能保証できないため、マスクしたとされる。 また、エーオーアールのAR8200MK3やAR8600DESKTOPなどが販売されている。
- ^ 井端 一雅(いばた かずまさ)「懐かシリーズ 中間周波数の話」『CQ ham radio』2009年4月号、CQ 出版社、2009年、144-145頁。
- 1 受信機とは
- 2 受信機の概要
- 3 受信機の構成
- 4 古典的な受信機の例
- 5 ゼネラルカバレッジ受信機(ワイドバンドレシーバ)
- 6 新しい方式の受信機
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