ロボットカーニバル
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/03/16 06:50 UTC 版)
「フランケンの歯車」
解説
「横たわっていたロボットが立ち上がる」というだけの内容で、舞台も室内に限定しているが、大変に動的なフィルム[4]。画面構成や描き込みは緻密でありながら、ダイナミックに動きまくる[4]。
あらすじ
雷鳴のとどろく中、古城の研究所で、マッドサイエンティストの老人がロボットを起動させようと悪戦苦闘している。横たわっていたロボットがゆっくり立ち上がり、老人は歓喜するが…[4]。
メインスタッフ
「DEPRIVE」
解説
『新造人間キャシャーン』『破裏拳ポリマー』等の往年のタツノコ作品をオマージュした肉弾アクション主体の正統派のヒーローアニメ[4]。アメコミ風の敵のボス、カムラ・トルーのデザインは監督の大森英敏の師匠にあたる湖川友謙が担当し、他のメカデザイン等も、一部、大森が当時所属していたビーボォーのメンバーが手伝っている[4]。
大森は、参加段階で北久保に「メンバーに業界的には評価されているアニメーターが集まっているが、彼らは一般的には知られていない。そこでアニメ雑誌を読んでいるようなファンに人気があるアニメーターに参加してもらおうという意図で大森と北爪宏幸を誘った」ということを聞かされた[4]。「アニメーターが好きな作品を作る」という『ロボットカーニバル』の企画に共感した大森は、「この作品は多くの人に観てもらって、受けなくてはいけない」と考え、本当に描きたいものではなく、アニメファンが自分に期待するものと自分がやりたいもののバランスを取ってこの作品を作った[4]。
あらすじ
平和な未来都市に、宇宙船に乗った凶悪なロボット兵団が攻めて来た。破壊され、友人の少女を目の前で連れ去られた作業用ロボットのツ・ムジは、少女を奪い返すために自らを戦闘用ロボットへと改造し、敵の本拠地に乗り込む[4]。
メインスタッフ
- 監督・シナリオ・キャラクターデザイン - 大森英敏
- 美術 - 松本健治
- 効果 - 佐々木純一(アニメサウンドプロダクション)
「プレゼンス」
解説
梅津泰臣の美意識と思い入れを突き詰めた作品で、彼のフェテッシュな部分も存分に盛り込まれている[8]。演出的にも充実した仕上がりだが、それだけでなく、梅津は物語や作画も含めて映画的なものを作ろうとして作品の骨格を組み立てたと語っている[8]。制作当時、梅津はまだ20代だったが、「中年男と少女」「老人と少女」というモチーフを選んでいる[8]。主人公を演じたのは『ウルトラセブン』のモロボシ・ダン役で知られる森次晃嗣で、『ウルトラセブン』のファンである梅津のキャスティング[8]。
あらすじ
科学技術が発達し、人間そっくりのロボットが人間と一緒に暮らしている世界。周囲から愛妻家と思われている主人公には人には言えない秘密があった。森の中の小さな小屋に、彼が作った少女ロボットを隠していたのだ。母親の愛情を知らずに育った主人公は、キャリアウーマンの妻からは得られない女性的なものを少女に求めた。しかし、少女ロボットは人格を持つようになる。人間らしくなった少女ロボットを主人公は拒絶する。そして時は流れ、年老いた主人公の前に少女ロボットが姿を現す[8]。
メインスタッフ
- キャスト
- 主人公:森次晃嗣
- 少女:町田淳子
- おばあさん:花形恵子
- 娘(結婚後):滝沢久美子 / 娘(結婚前・こども):村田彩
- 孫(主人公の孫):藤枝成子
- 同僚:梅津秀行
- 男A:稲垣悟 / B:梅津秀行 / C:沢木郁也
- 子供A:菊池英博 / B:浪川大輔 / C:中村竜彦 / D:菊池英博
- 小型メカの声:滝沢久美子
- ^ a b c 堀切日出晴 (2021年9月28日). “米国盤『ロボットカーニバル』2021年12月28リリース”. Stereo Sound ONLINE. ステレオサウンド. 2022年11月27日閲覧。
- ^ a b c d e f g h 小黒祐一郎 (2010年6月25日). “アニメ様365日 第395回 『ロボットカーニバル』”. WEBアニメスタイル. 株式会社スタイル. 2022年11月27日閲覧。
- ^ “アニメ業界ウォッチング第85回 新作アニメ作品を制作中の梅津泰臣が語る「これまで」と「これから」”. アキバ総研. カカクコム (2021年12月25日). 2022年11月27日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i 小黒祐一郎 (2010年6月30日). “アニメ様365日 第398回 『ロボットカーニバル』の各作品(2) 森本晃司の「フランケンの歯車」と大森英敏の「DEPRIVE」”. WEBアニメスタイル. 株式会社スタイル. 2022年11月27日閲覧。
- ^ 小黒祐一郎 (2010年7月9日). “アニメ様365日 第405回 クリエイター主義と『ロボットカーニバル』”. WEBアニメスタイル. 株式会社スタイル. 2022-11-34閲覧。
- ^ “Netflixアニメ『ラブ、デス&ロボット』のティム・ミラー監督にインタビュー:「Netflixは最高のパートナー」”. ギズモード (2019年5月15日). 2022年11月27日閲覧。
- ^ a b c d e 小黒祐一郎 (2010年6月29日). “アニメ様365日 第397回 『ロボットカーニバル』の各作品(1) 大友克洋監督のOPENING”. WEBアニメスタイル. 株式会社スタイル. 2022年11月27日閲覧。
- ^ a b c d e 小黒祐一郎 (2010年7月1日). “アニメ様365日 第399回 『ロボットカーニバル』の各作品(3) 梅津泰臣の「プレゼンス」”. WEBアニメスタイル. 株式会社スタイル. 2022年11月28日閲覧。
- ^ a b c d e 小黒祐一郎 (2010年7月2日). “アニメ様365日 第400回 『ロボットカーニバル』の各作品(4) 北爪宏幸の「STARLIGHT ANGEL」”. WEBアニメスタイル. 株式会社スタイル. 2022年11月29日閲覧。
- ^ a b c d e f g h 小黒祐一郎 (2010年7月5日). “アニメ様365日 第401回 『ロボットカーニバル』の各作品(5) マオラムドの「CLOUD」”. WEBアニメスタイル. 株式会社スタイル. 2022年11月30日閲覧。
- ^ a b c d e 小黒祐一郎 (2010年7月6日). “アニメ様365日 第402回 『ロボットカーニバル』の各作品(6) 北久保弘之の「明治からくり文明奇譚 〜紅毛人襲来之巻〜」”. WEBアニメスタイル. 株式会社スタイル. 2022-11-31閲覧。
- ^ a b c d 小黒祐一郎 (2010年7月7日). “アニメ様365日 第403回 『ロボットカーニバル』の各作品(7) 北久保弘之の「明治からくり文明奇譚 〜紅毛人襲来之巻〜」の続き”. WEBアニメスタイル. 株式会社スタイル. 2022-11-32閲覧。
- ^ a b c d e f g h 小黒祐一郎 (2010年7月8日). “アニメ様365日 第404回 『ロボットカーニバル』の各作品(8) なかむらたかしの「ニワトリ男と赤い首」”. WEBアニメスタイル. 株式会社スタイル. 2022-11-33閲覧。
固有名詞の分類
- ロボットカーニバルのページへのリンク