バーニングマン 運営

バーニングマン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/11/01 00:37 UTC 版)

運営

バーニング・マンは、発起人であるラリー・ハーベイ(Larry Harvey)と5人の委員会メンバーの助言のもと、地元ワーショー郡ガーラック地区(Gerlach-Empire)に事務所を構えるブラックロック・シティ社(Black Rock City, LLC)が年間を通してその準備に当たっている。

彼らは、このイベントを「コミュニティ社会の実験であり、参加者ひとりひとりの過激なまでの自立と自己責任に特徴がある」としている。 しかし運営側と来場者の区別は曖昧であり、参加者一人一人は自分がイベントの主人公の一人だという感覚を持っている。渋滞時の交通整理や現地でのチケット発券、入場ゲートでのチケット確認、セキュリティ・チェック、インフォメーション・ブースや遺失物集積所、センターキャンプ・カフェでの接客など、現場での運営に関わる様々な仕事は、(パートタイム労働者等を雇うのではなく)参加者有志がシフトを組んで対応している。また自然環境を守り、そして毎年継続して開催していくために、数百人の参加者たちが会期後もプラーヤに居残り、組織的に遺留物を拾い、それを処分している。

歴史

ラリー・ハーベイとジェリー・ジェイムス(Jerry James)は、材木を組み合わせて高さ約2.4m(8フィート)の人型の像を制作した。彼らはカリフォルニア州サンフランシスコのベイカー・ビーチ(Baker Beach)に、この木像を搬入し、設置し、そしてそれに火を放った。ラリーは後年、メディアによるインタビュー等では、恋人との別れにケジメを付けるためだったと答えている。ヒッピー・ムーブメントと関連深いこのClothing Optionalな海岸に居合わせた人々は、ラリーやジェリー、その友人たちと「マンを解き放つ」(Release the Man)行為を通じて親しい関係となった。こうして毎年、1番日の長い日にバーニング・マンが開催されるようになる。 このイベントはSan Francisco Suicide ClubSan Francisco Cacophony Societyなど西海岸アンダーグラウンド・シーンの興味を惹き、年を経るごとに多くのアーティスト達がベイカー・ビーチに集うようになる。

  • 1990年6月21日

イベントは500人規模にまで拡大し、それに従いザ・マンの立像も高さ12m (40フィート)の大がかりなものになっていた。ラリーと仲間達は例年通り制作した像を砂浜に設置するが、法執行機関により点火を中止するよう勧告される。彼らはザ・マンを解体し、トラックに積み込み、ベイカー・ビーチを後にした。約2ヶ月後のLabor Day Weekend初日、参加者有志はもう一度集合し、隊列を組みシェラネバダ山脈を越えた。Cacophony SocietyのZone Trip#4として企画されていたブラックロック砂漠への旅に、ザ・マンが招待されたのである。彼らはプラーヤに到着するとザ・マンの再組み立てを行い、その年のリリースを行った。このとき以来、バーニング・マンは文明から隔離された広大な塩類平原で開催され続けている。物資も公共サービスもない荒れ地を会場としたため、参加者同士が助け合い、足りないものを工面しあうようになった。こうして参加者自身により一時的に町と同等の機能が提供されるようになっていく。

  • 1990年代後半

インターネットへの接続が一般化すると、参加者たちの個人的かつ献身的な努力によりバーニング・マンに言及する数多くのWebサイトが作られ、詳細な情報が共有されるようになる。また1999年より全米自動車協会(AAA)のキャンピングカー・ガイドブック(RV Guide)「Great Destination(優れた旅行先)」カテゴリに掲載される。 発起人とその友人たち、参加経験者から直接誘いを受けた人々などによる「内輪の」「アンダーグラウンドな」イベントであったバーニング・マンは、こうして世界各地から数万の参加者が集まる現在のような姿に変化した。

  • 2023年9月

ネバダ州の会場が大雨見舞われ泥濘化、約7万人が一時帰還不能になった[1]

アート・テーマ

「ザ・マン」のリリース後、翌年の指針となるアート・テーマと、新しい「ザ・マン」のデザインが公にされる。 各開催年のアート・テーマは以下の通りである。

  • 1995年:「Good and Evil」
  • 1996年:「The Inferno」
  • 1997年:「Fertility」
  • 1998年:「Nebulous Entity」
  • 1999年:「Wheel of Time」
  • 2000年:「The Body」
  • 2001年:「Seven Ages」
  • 2002年:「The Floating World」
  • 2003年:「Beyond Belief」
  • 2004年:「The Vault of Heaven」
  • 2005年:「Psyche -The Conscious, Subconscious & Unconscious」
  • 2006年:「Hope and Fear: The Future」
  • 2007年:「The Green Man」
  • 2008年:「American Dream」
  • 2009年:「Evolution: A Tangled Bank」
  • 2010年:「Metropolis: The Life of Cities」
  • 2011年:「Rites of Passage」
  • 2012年:「Fertility 2.0」
  • 2013年:「Cargo Cult」
  • 2014年:「Caravansary」
  • 2015年:「Carnival of Mirrors」
  • 2016年:「Da Vinci’s Workshop」
  • 2017年:「Radical Ritual」
  • 2018年:「I, Robot」
  • 2019年:「Metamorphoses」
  • 2020年:「The Multiverse」
  • 2021年:「The Great Unknown」
  • 2022年:「Waking Dreams」
  • 2023年:「Animalia」






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