バーニングマン 価値観

バーニングマン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/11/01 00:37 UTC 版)

価値観

十か条の根本理念 (10 Principles)

 『どんな者をも受け入れる共同体である』(Radical Inclusion)

 『与えることを喜びとする』(Gifting)

 『商業主義とは決別する』(Decommodification)

 『他人の力をあてにしない』(Radical Self-reliance)

 『本来のあなたを表現する』(Radical Self-expression)

 『隣人と協力する』(Communal Effort)

 『法に従い、市民としての責任を果たす』(Civic Responsibility)

 『跡は何も残さない』(Leaving No Trace) 

 『積極的に社会に参加する』(Participation)

 『「いま」を全力で生きる』(Immediacy)

街の設計

The logo of the Temple Guardians of the Temple at Burning Man.
イベント開催時の衛星画像(2005年)

街路は弧を描き、同心円状に連なるようデザインされている。 1999年以来、人型の像を中心とする直径約2.4kmの円を3分割し、その二つ分の円弧を市街地に、残りの一つをオープンスペースにするという基本構成は変更されていない。しかし、参加者の増加に伴い市街地は直径約3.4kmへと伸び、周辺部の総面積も拡大。これが収まるより開けた土地が確保できる北東方向へと、中心自体が数km移動している。

一番内側に設置される円弧状の通りはエスプラナード(Esplanade)と名づけられ、その外側に同心円状に連なる通り「ストリート」にはその年その年のアート・テーマに則った名前が付けられる。例えば「Wheel of Time(時の車輪)」(1999年)や、「The Vault of Heaven(天上の宝石箱)」(2004年)といったアート・テーマの年には、ストリートに太陽系の各惑星の名が与えられた。各ストリートは「ザ・マン」から近い順に、頭文字がA, B, C, D, E, F, Gとなるように命名される。

そのバームクーヘンのように層を成して連なる市街地を貫き、会場中心の人型の像から放射状の街路が一番外側の円まで真っ直ぐに伸びている。すなわち「3:00のプロムナード」、「6:00のプロムナード」、そして「9:00のプロムナード」である。「ザ・マン」が顔を向けている南西の方角がブラックロック・シティという大きな時計盤の「6時」となる。この位置にはインフォメーション・ブース、救護所、レンジャー本部、郵便局、放送局などコミュニティの中心機能が集積された「センターキャンプ」が置かれている。

市街地内には同じように時計の文字盤を模して「30分」ごとの位置に放射状の街路「アベニュー」が敷設される。3:30通り、4:00通り、4:30通り、といったようにである。放射路には、必ず仮設トイレ群が設置されている。

10:00の位置から2:00の位置までは食べかけのバームクーヘンのように市街地が欠けており、その中間点である12:00の位置には参加者が心の拠り所とする寺院(Temple)が建立される。

参加者たちは、自分が現在、この大きな時計盤の「何時何分」の「どのアルファベット」の通りに立っているかで、会場内の座標を認識する。道に迷ったときには「時計」の針の付け根である「ザ・マン」の姿を探すことで自分の位置を把握できるよう考慮されている。「ザ・マン」が会場のどこからでも見える高さに設置され、夜間にはネオン管で輝いているのはこのためである。

これらの街路命名法は試行錯誤の末に編み出されたものであり、過去の開催時には他の方法で名づけられたこともあった。アート・テーマ「The Floating World(浮かんでいる世界)」(2002年)では、180度、175度など羅針盤が指し示す針路が放射路のアベニュー名として採用され、また、「Beyond Belief(信ずるところの彼方に)」(2003年)では、放射路にAbsurd(とんでもない)、Rational(合理的な)など形容詞が、同心円状の各街路には「信ずるもの」となる名詞(Authority 権威、Creed 教義、など)が与えられた。交差点において「Absurd Authority」や「Rational Creed」など、皮肉めいた意味を為すよう言葉遊びが仕組まれていたのである。しかしながら、これらの試みは慣れ親しんだ時計盤型レイアウトと比べて不便であるとして、バーナー達から不評を買う結果に終わった。

プラーヤ上には、連邦航空局(FAA)の認可を受け一時的な飛行場が設置されており、自家用機での入場も一般的である。 ただし滑走路には飛行場灯火が設置されていないため、夜間の離着陸はできない。 空港使用料は$40とされ、滑走路のマーキング、駐機場整備、吹流しの設置などに充当される。

自然環境

ブラックロック砂漠は標高1191m(3907フィート)の山岳地帯に位置し、東側をジャクソン山脈、西側をキャリコ山脈に挟まれた盆地である。このアルカリ塩が堆積した土地「プラーヤ」には、サボテンすら生えず、サソリもゴキブリも生息していない。外観はユタ州のボンネビル・ソルトフラッツに類似するもので、灰色の乾いた泥地が見渡す限り広がっている。表面が平坦かつ堅く引き締まっているため、自動車による世界最高速度記録の舞台としても使用された。

砂漠気候に属する高地であるため日差しは強く、日中の気温はバーニング・マンが開催される8月最終週には摂氏35度にまで達する。しかし太陽が山の端に隠れるや否や、水分に乏しい大気や地面の温度は急激に低下し、日の出前には摂氏4度程度にまで冷え込む。真夏と真冬が同じ一日の中で切り替わる、まるで月面のように極端な自然環境である。このため参加者は防暑衣と防寒着を事前に準備し、自らの判断で適宜着替えて身を守らねばならない。また極度に大気が乾燥しているため、昼夜を問わず喉の渇きを覚える前に積極的に水分を補給し続けなければ容易に脱水症状に陥ってしまう。

山脈のない北東、あるいは南西からの風が常に吹き込み、乾ききった湖底の泥を舞い上げる。砂というよりは小麦粉や消石灰のような非常に粒子の細かい粉末であるため、容易にテント内や車内に侵入し降り積もる。粉塵はカメラやパソコンなど精密機械の内部にも入りこみ故障が多発する。強風により舞い上がった砂塵が竜巻の姿をとったり、台風のように吹き荒れる砂嵐に街全体が飲み込まれることもしばしばである。砂嵐のなかでは視界が文字通りゼロとなり、伸ばした自分の手の先すら見えない(ホワイトアウト)。粉塵防護ゴーグル無しでは目を開けることもままならず、呼吸には防塵マスクが必須である。設置したテントが強風に煽られて崩壊したり、巻き上げられ飛ばされてしまうことも珍しくない。また、急な豪雨に見舞われることもあり、暴風雨が何時間か続くこともある。この場合には会場全体が泥沼と化すため、地面が乾ききるまで外出は不可能となる。







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